Macintosh トラブルデータベース Archives |
ドライブ設定 1.9.2:DVD-RAM UFS 初期化の問題 iBook 内蔵スピーカの無音障害:スリープとの関連 AppleWorks 6.0.4:B/W プリント障害の解消,同一フォルダ内の同一名称ファイルの存在:欧文ファイル名称で起きる原因,同一フォルダ内の同一名称ファイルの存在:異スクリプト切り替え環境での障害事例 AppleShare IP Web & File 6.3.2(日本語版) Power Mac G4 (AGP Graphics) 500 MHz:9.0.2 上のコントロールパネルの文字化 |
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[ 00/6/11]
●ドライブ設定 1.9.2:DVD-RAM UFS 初期化の問題
ドライブ設定 (Drive Setup) 1.9.2 を用いて DVD-RAM ディスクを UFS 初期化しようとすると,初期化に失敗し,その後そのディスクを初期化することができなくなってしまう問題を Apple が確認して調査中である.現在のところ,使用できなくなったディスクを回復させる方法は分かっていない.
● iBook 内蔵スピーカの無音障害:スリープとの関連
00/5/2 項目 "iBook:ヘッドフォンジャックの問題?" について,引き続き笹原氏よりスリープとの関連が明らかになったとお知らせいただいた.次のようにすると再現する.また,回復法もあわせてお書きいただいた.
● AppleWorks 6.0.4:B/W プリント障害の解消
- 1.iBookのヘッドフォンジャックにヘッドフォンを挿入し、スリープする。
2.ヘッドフォンを外し、スリープを解除する。(ヘッドフォンジャックに挿入するものは先に何もつなげていない延長コードでも可)
ただし、音量調節が出来なくなるなどの障害はこの方法では起こりません。
無音状態を解消するには「スリープしていない状態でヘッドフォンを挿し抜きする」か「再スリープ後、ヘッドフォンを挿した状態でスリープから復帰する」か「再起動」です。ヘッドフォンジ?クに何も挿さないまま、スリープと復帰を繰り返しても解消されません。
TIL: 88004 : AppleWorks 6: Black and White Printing Error
上記 Apple Tech Info Library が更新され, AppleWorks 6.0 で ImageWriter, ImageWriter II, AppleFAX にモノクロ 2 値でプリント/ファクシミリ送信しようとするとエラーメッセージが表示されて出力できなかった問題が AppleWorks 6.0.4 で解消されたと記されている.
参考:
00/5/11 項目 "AppleWorks 6 日本語版:プリント関連の問題"
●同一フォルダ内の同一名称ファイルの存在:欧文ファイル名称で起きる原因
同一フォルダ内に同一名称ファイルが重複する問題に関し,英語版アプリケーション作成ファイルが重複する現象が知られたが,この現象の説明ができた.プライマリスクリプトと Unicode 対応ファイルシステムの関係で起きるという TIL での警告から田中俊光氏が推察なさった過程として説明可能である.
本問題の重複ファイルに関して最初にご指摘いただた飯泉氏が Alsoft に再度お問い合わせになったところ,ファイル名称に「ィ」「ゥ」「ェ」といった特殊文字が含まれる場合に重複が生じる可能性が高いとの回答があったそうだ.また,重複が生じる TechTool Pro のファイル名称は正しくは "TechToolィ Support Files" であったとご連絡いただいた.
(特殊文字はインターネット上で使用できないため,「ィ」「ゥ」「ェ」について便宜的に類似して見える拗音に置き換えた.これらは実際には半角カタカナである.以下も同様に扱っている)
これらの特殊文字 A8,A9,AA のコードは, Roman スクリプト環境ではそれぞれ,登録商標を示すマル付き R ,著作権表示のマル C ,登録商標の TM と表示されることが一般的な,いわゆる機種依存文字であり,Japanese スクリプト環境ではそれぞれ「ィ」「ゥ」「ェ」と表示される.これらは Shift-JIS の日本語コードでは 00A8,00A9,00AA なのだが, Unicode 上では FF68,FF69,FF6A となる.しかし, Roman スクリプト環境では Unicode 上でも 00A8,00A9,00AA であり,異スクリプト切り替え環境時に同時に存在することが可能である.
つまり,これは田中氏が発見された原因の範囲内であり,同様に説明がつくことが判明した.特殊文字が該当することは私も考えが及ばなかった.
「まとめ」
同一フォルダ内に同一名称ファイルが重複する場合がある.これは Mac OS 標準フォーマット (HFS) 環境における Shift-JIS コードによるファイル名称等が Mac OS 拡張フォーマット (HFS Plus) の Unicode に変換される際,起動システムのプライマリスクリプトが Japanese と Roman では,同一ファイルなのに異なったコードに変換されることから発生する.つまり,コード上は異なったファイルのためファイルシステム上では問題ないが,ユーザには同じ名称に見えている現象である.
この現象から,ユーザが誤って必要なファイルを削除したり,システム関連ファイルの場合にマシンの動作に影響したりする可能性があるだけでなく,ファイルやフォルダの破壊といった重大な結果や次項目で触れるような予期しない問題が発生する.この問題は次項の参考ページにおいて繰り返し私も警告してきた.異なった言語スクリプトを使用する環境においてこうした現象を回避するには次のように心がけるしかないだろう.
1. OS を Mac OS 8.1 以上とし,ディスクのファイルシステムを Mac OS 拡張フォーマット (HFS Plus) に統一する.
2.プライマリスクリプトをなるべく統一し,切り替えて使用しないようにする.
参照:
00/6/4 項目 "同一フォルダ内の同一名称ファイルの存在"
00/6/8 項目 "同一フォルダ内の同一名称ファイルの存在 (継続)"
●同一フォルダ内の同一名称ファイルの存在:異スクリプト切り替え環境での障害事例
本問題については多数の方々からご意見や情報をいただいた.このような問題に強い興味関心を示される方々は総じて Macintosh やコンピュータのスキルが相対的に高い方々と思われる.そもそも異スクリプト環境を使いこなすこと自体が初級者向けではない.したがっていただいたご意見等は拝聴に値することが多く,田中氏だけでなく有力なページをお持ちの方もいらっしゃる.その中からいくつか紹介したい.
JISMUG Kuta 氏
Kaz 氏のご報告
- この現象に関連した問題が JISMUG Question & Answer BBSに報告されている.
プライマリスクリプトを切り替えて使用する環境において, View Font 切り替えにより本障害が発生する.
- http://simplystrong.com/jismug/archive/QA/2000/04/01.html
http://simplystrong.com/jismug/archive/QA/2000/04/11.html
こうしたことから,Language Kit 付属の Language Register は使用せず, FontPatchin'3 を用い, Views Font の設定を Roman のまま日本語表示を行う方向で,回避法を検討中とのことである.
桐野氏のご報告
- ・Japanese 環境で作成した Excel 書類を Roman 環境で編集した場合,書類を開くことができなくなる現象が発生する.原因は不明.
・上記 JISMUG もご紹介いただいた.
私のページでは上記項目以外にこれまで次のような関連項目や関連した内容が作成されている.この問題は Mac OS 8.1 において Mac OS 拡張フォーマット (HFS Plus) が可能となったときに噴出したものであり,田中氏,鷲見氏ほかの方々のご尽力によって本ページにて示されたものである.最後に示した "ゴミ箱を空にできない" についてはその中の「Mac OS 8.1 以降で出現する捨てられないフォルダ」が該当する.
- システムフォルダをのぞいてみたところ,機能拡張フォルダ及び機能拡張(使用停止)フォルダがそれぞれ二つずつありました.内容もそれぞれが両方にばらばらに分かれていました.プリンタドライバのアラートが出たのは,システムにそれと認識されていない方(通常のフォルダアイコン)の機能拡張フォルダにドライバが移動していたためでした.
慌てて片方をリネームしようとしましたが,Finder上でリネームしようとしてもフォルダ名フィールドが入力待ちになりません.「情報を見る」ウインドウを出すと,フォルダ名フィールドは入力不可となっていました(ロックされていないのに).
フォルダ内容の全てを認識されている方の各フォルダに移してからごみ箱に捨て,空にしようとすると,今度は NAV auto protect からの不正削除サスペクトのアラートが出ました.ごみ箱の中のフォルダを開けてみると,果たしてシステムフォルダに残した(と思っていた)方の機能拡張フォルダ(と,使用停止フォルダ)に入れ替わっていました.手品でも見ているような気分でした.
原因不明のまま,デスクトップ再構築と再起動を数回繰りかえすことで(空の「機能拡張」「機能拡張(使用停止)」フォルダをごみ箱に残したまま)ようやくごみ箱が空にでき,外見的なトラブルは解消しました.
参考:
98/2/6 項目 "重要: HFS + : Disk Tools PPC の問題"
98/2/18 項目 "注意: HFS + :ユニコードによる問題"
98/2/23 項目 "注意: HFS + :ファイル同期の問題他"
98/3/21 項目 "HFS + :日本語システムと英語システムの互換問題:起動できない"
98/6/9 項目 "日本語表示できる最小限の Mac OS 8.1 システムフォルダ"
98/6/27 項目 "プライマリスクリプト問題解明: Text Encoding Converter 1.3 DT の限定機能"
98/6/27 項目 " Mac OS 8.1 HFS + 日本語表示対応 PPC 起動フロッピーの作成"
98/10/19 項目 "Mac OS 8.5 :メニューバークロックのフォント"
ゴミ箱を空にできない
● AppleShare IP Web & File 6.3.2(日本語版)
クライアントコンピュータから送られる要求が Web サーバの対応する範囲を超えたときに Web サーバが 32KB の余分なデータを送り返してしまうという, AppleShare IP 6.1 以降の Web サーバで発生する可能性があるセキュリティの問題を修正したそうだ.
● Power Mac G4 (AGP Graphics) 500 MHz:9.0.2 上のコントロールパネルの文字化け
TIL: 31219 : Power Mac G4 (AGP) & Servers: Unreadable Text in Certain Control Panels and Contextual Menus
Mac OS 9.0.2 の Power Mac G4 (AGP Graphics) 500 MHz で "テキスト" や "サウンド" コントロールパネル上あるいはコンテクストメニュー上で読めない文字が表示される場合がある.回避法はデスクトップの再構築か Mac OS 9.0.4 にアップデートする.
(C) Akiyama Satoru