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[ 98/12/13]



● Drive Setup 1.6.2 : Apple TIL の文書 3 種


Tech Info Library でいくつか Drive Setup 1.6.2 に関する文書が公開されている.ドライバ以外でアプリケーションに変更があったということ以外,特に必要な点が明らかにされていず. Drive Setup 1.6.2 が何をするのか具体的には何も書かれていない.アップデートについては Mac OS 8.5 インストール後アップデートすべきだと書かれているのだが,これは Drive Setup (ドライブ設定)1.6 ユーザはアップデートすべきであるということであって, Mac OS 8.5 ユーザはとか Drive Setup 1.6.1 ユーザはとかとは書かれていない.しかしながら,TIL 30870 は読みようによってはドライババージョンは変わらないけれどインストールすべきだとも解釈できる.

では,どうすればいのだろうか.ハードディスク損傷問題について修正したという Drive Setup であるのだから,ドライババージョンが変わらなくてもインストールしてよいと私には思える.たとえドライババージョンが変わらなくてもドライバ更新を実行することによって何の害もないはずだ.ドライバ更新を実行することでドライバを書き換える以外の何らかの変更を行っているのではなかろうか.そして,それが, Read Me の「パッチ」の意味なのではなかろうか.

( MacInTouch 12/11 は, TIL の記述は矛盾するとし,ドライバパーティションではなく, Apple パーティションを変更するのではないかと書いている)

「 TIL の内容」

TIL: 30867 : Drive Setup 1.6.2: Mac OS 8.5 Downgrades my Hard Disk Driver

これは Drive Setup 1.6.2 でドライバ更新をしても,後で Mac OS 8.5 システム CD から何かをインストールすると CD-ROM の古いバージョンのドライバが上書きされ元に戻ってしまうという内容.

このような場合は事前に CD からインストールする際にドライバ更新しない設定とする.もし,ダウングレードされた場合にはもう一度 Drive Setup 1.6.2 でドライバ更新すればよい.

なお, Drive Setup 1.6.1 および,1.6.2 でインストールされるドライババージョンは次の通り

ATA v3.14
SCSI v8.1.1 (TIL では 8.1.0 だが誤りであろう)

TIL: 30868 Mac OS 8.5.1 Update: What Do I Do With Drive Setup 1.6.2?
TIL: 30870 Drive Setup 1.6.2: Hard Disk Drivers Not Updated from 1.6.1

Drive Setup 1.6.2 は 1.6.1 と比較して,インストールするドライバは変化していないが,アプリケーション自体に変更があった.

Mac OS 8.5 のユーザは Drive Setup 1.6.2 があれば,より古いバージョンの Drive Setup は必要ない. Mac OS 8.5 インストール後,1.6.2 でドライバ更新すべきであると書いてあるほかに目新しいことは見つからない.



● Web 共有にセキュリティホール?


龍谷大ミラーをご提供いただいている小島氏から BUGTRAQ ML に Mac OS の Web 共有にセキュリティホールがあり,使用不能攻撃を受けるという記事が投稿されたとお知らせいただいた.内容についてはまだ未確認である.



● PowerBook G3 Series/G3/3400/1400: M4895 電源アダブタの互換


M4895 電源アダブタは PowerBook G3 Series/G3/3400/1400 で共用できる.



● PowerBook G3 に 3400,5300,190 バッテリ使用可能


PowerBook G3 ( PowerBook G3 Series ではない) には PowerBook 3400 用 M5139 と PowerBook 5300 および PowerBook 190 用 M3254 を使用することが可能である.(持続時間は M4895 に比べて短い)



● PowerBook G3 Series : 250/13 モニタケーブルの問題(日本の状況)


PowerBook G3 Series 13 インチモデルのモニタケーブルに問題があり,モニタに線などが現れることについては何度も本ページでお伝えした通りである.特に, 98/11/17 項目で米国 Apple では障害を確認したとお伝えした.

米国 Apple ではユーザからの苦情があった場合,ケーブルを対策されたものに交換しているようであるが,日本の状況について佐保氏からお知らせいただいている.

佐保氏は何度も販売店で交換,修理を繰り返したのだが,ケーブル以外の交換,修理であったためその度に障害が再発した.その間,アップル,サービスプロバイダとも直接連絡をとったが,「その様な不具合の発症例は確認していない」「症状は確認されなかった」「お客様固有の現象」との回答を繰り返したそうである.

左保氏は,最後に私のページの記載を根拠に問い合わせたところ,アップルから最終的に「技術に確認したところ,モニタケーブルの断線で同様の不具合が発生する.対策したケーブルと交換する事で再発しないことを確認している」と回答があったそうである.

PowerBook モニタ表示の障害は,修理に出すと通常だとモニタの交換になることが多い.ところが,私のサイトで繰り返してお伝えしているようにこの機種に限らず,ケーブルの断線,接触不良等が原因の場合が多い.( 98/9/2 項目「 PowerBook 液晶モニタのトラブル」など)

保証が切れているなどの場合,ケーブルとモニタとでは交換費用が相当異なる.機種にもよるかもしれないが,ケーブルのみの交換は可能である.(もちろん,本件の場合は製品自体の不良であるので無償交換であるべきだが)

PowerBook G3 Series で比較的多いトラブルとしてはスリープ中にメインバッテリに充電されるにも関わらず,通常の駆動中に充電されないというトラブルがある.これは本体内部のバッテリ接点のシールドの問題である.シールドを棒状の絶縁物で動かせば直るそうであるが,ショートさせるとマザーボードの交換になるのでサービスプロバイダに持ち込んだ方がよい.この問題もアップルからは正式な発表がなされていず,私のページが報告したものである.

参考:
98/7/21 項目「 PowerBook :バッテリ充電での問題」


追記:
西山氏は日本で購入した PowerBook G3 Series 250/13 を米国で使用している.縦線が出てからついにはモニタは真っ白になる障害が出,私のページの記述から初期不良と考えられたため Apple 取り扱い販売店に持ち込んだところ,当初は国外からの持ち込みを認めなかったが,直接 Apple 社に西山氏が連絡を取り,その販売店で受け付けられ無償修理となった.販売店では液晶モニタの交換になるだろうと言っていたが,実際はモニタと接続ケーブルの交換となった.

これらの例からすると,日本でも米国でも接続ケーブルの不良に関して販売店等には知らされていないようである.



ATI Driver Update 1.4.7 :スリープ後の描画障害の改善


PowerBook G3 Series でのミラーリング時の解像度変更を可能にする.また, Read Me には記されていないようだが,スリープ後の画面描画スローダウンの問題を修正する.

PowerBook G3 Series 14 インチスクリーンモデルではこれまでの 1024x768 の解像度に加えて, 640x480 と 800x600 の解像度をミラーリング時に用いることができる.また,12 インチモデルでは 800x600 に加えて, 640x480 の解像度に変更できるようになる.

Apple ではモニタのミラーリングを PowerBook G3 Series から Simulscan (サイマルスキャン)と呼ぶようになっている.



● G3 マシン: EPSON GT-9000 TWAIN 入力でフリーズ


fj.sys.mac に投稿があり, G3 マシンまたは G3 アップグレードカード使用マシンで EPSON GT-9000 を TWAIN により Photoshop から入力するとフリーズする. Epson に問い合わせた結果,最新の EPSON TWAIN 2.62 などで問題が発生するようで, 2.53 が送付された.2.05 など古いバージョンにすることで回避することができる.



● Mac OS 8.5 : CANVAS 5 のプルダウンメニュー


白水氏からお知らせいただいた.Mac OS 8.5 で CANVAS 5 を使用するとプルダウンメニューの表示が乱れることがある.回避法はアピアランスのコントロールパネルでフォントのスムージングをオフにする.



●ワードパーフェクト3.1J で RTF ファイルが開けない


藤原氏からお知らせいただいた.

WordPerfect 3.1J や Microsoft Word 98 で作成した RTF ファイルが, WordPerfect で RTF コンバートできず開くことができない. WordPerfect 3.1J で作成した RTF ファイルは,以前は WordPerfect のアイコン表示だったが,今現在は Word のアイコンになっているそうである.

アイコン表示の問題は Microsoft Office 98 インストールによりデスクトップデータベースが変更されたためではなかろうか.また, Mac OS 8.5 アップデート時に File Exchange 関連で設定変更がされた可能性も考えられる.



●よもやま(その一): HFS + でのパーティション


前回更新時の冒頭に書いたようにハードディスククラッシュのため,ハードディスクを初期化した. Mac OS 8.5 になってから Sherlock の内容検索を有効に使うためにボリュームを分割することを考えていたので Drive Setup 1.6.2 も出たし,いい機会なのでそれまでの単一パーティションから Sherlock 専用ボリュームを作成するために複数ボリュームとした.

私は Mac OS 8.1 から可能になった HFS + フォーマットを試す意味もあって, 4GB ハードディスクを単一パーティションとしていた. HFS + に関しては半年ほど使用した結果,有効だと思えたし,問題もあまり感じなかった.現在 1GB 以上のハードディスクは 68k マシンに内蔵するものやそれらで起動ディスクとなる可能性のあるもの以外は全て HFS + にしている.また, 640MB MO も全て HFS + としている.しかし,パーティションについては, HFS + と関連しない別の側面があることを意識するようになった.

「 HFS + について」

HFS +( Mac OS 拡張フォーマット)が可能になった当初は色々と解決されない問題があった.私が特に躊躇したのは,以下の理由である.

1.ハードディスクユーティリティの未対応

当初は対応するユーティリティが Disk First Aid だけだった.診断修復に関して市販ユーティリティが未対応であることを不安視する向きもあったが,私はオプティマイズするユーティリティがないことが一番の問題であった.いつもここで書くように,ハードディスク修復ユーティリティはバックアップがあれば必要ないものなのだ.しかし,オプティマイズをバックアップをとってから戻すというやり方は容量の大きいディスクでは労力と時間が大変で,ユーティリティなしで行うのはつらい.

2.一部サードパーティ製フォーマッタの未対応または対応アナウンス未確認

3.プライマリスクリプトと起動ディスクの問題

Roman スクリプトとJapanase スクリプトの切り替えで特に英語システムからの起動時にデータ破壊が起きることがあり,当時,起動 CD-ROM が存在せず,英語システムのフロッピーからの緊急時起動しかできないため,大変問題となった.

このうち,一番問題だったプライマリスクリプトと起動ディスクの問題が鷲見氏からの投稿により私のページで原因と対処法が解明された.また,それにより日本語 Mac OS 8.1 対応起動フロッピーを作成することができるようになった.
98/6/27 項目「プライマリスクリプト問題解明: Text Encoding Converter 1.3 DT の限定機能」および,「 Mac OS 8.1 HFS + 日本語表示対応 PPC 起動フロッピーの作成」.起動フロッピーの作成法は「 Power Macintosh 用起動フロッピーディスクの作成」に転載した.

この時点で私はメインマシンのハードディスクを HFS + にすることにし,現在まで問題なく運用できているため, Speed Disk が HFS + に対応したのを機にほとんどのディスクを HFS + に移行することにしたのである.

現在ではハードディスクユーティリティとフォーマッタはほとんどの製品が HFS + に対応している.また,起動に関しては CD-ROM で問題ない. HFS + が問題となるのは次の場合だけである.

68k Macintosh で起動ディスクにできない.

HFS + は発表前にディスクアクセスが遅くなるのではないかと思われたのであるが,実際使ってみるとほとんど無視できるものであった. HFS + と HFS の違いなど基本的な事柄については初心者のためのコンピュータ設置の方法と注意-ハードディスクの初期化とパーティションの「アロケーションブロックサイズ」「HFS と HFS + 」の項を参照願いたい.(そこの記載は少々古くなっている.現在では学生にも HFS + でフォーマットさせている)

「 HFS + のパーティション」

パーティション作成は HFS で大きい容量のハードディスクを使用する場合ハードディスクを効率的に使用するために常識的なことであった.私も細かくパーティションしていた.ただ,それはハードディスク容量の効率を考えただけではなく,インターネット関連の専用ボリュームを作成することにより,キャッシュファイルアクセスの高速化とディスク断片化をハードディスク全体に及ぼしにくくするという効果も狙ったものであった.(キャッシュファイル等は RAMディスクに置いた方がよい)

HFS + になって,パーティションによるハードディスク容量の効率的な使用というメリットはあまりなくなった.パーティションはクラッシュ時のデータ復旧を考えると好ましくないこともあり,試験的にハードディスクを単一パーティションで使用してきたのである.

パーティションはしない方がいいという考えを私がはじめて知ったのは Drive 7のマニュアルによってである.そこには理由が書かれていなかったが,専門家の意見としてパーティションはしない方がいいとされていたのだ.また,私は Apple の技術文書にパーティションはしない方がいいと書かれているのを知っている.それにも理由は記されていなかった.

長い間,その理由を知らないままだったのだが,私はあるとき専門家とメールをやりとりしていた際に,パーティションされたハードディスクはデータ復旧が難しいと教えていただいた.どうもこれが理由らしい.また,パーティションしている方が事故が多いようなのだ.(実際そうだ)

そんなわけでこれが試験的にハードディスクを単一パーティションで使用してきた理由であった.しかし,半年と少し使ってみたが,いくつか使い勝手に関してデメリットも感じるようになってきた.

単一パーティションで困ったこと

1. Sherlock 索引

単一パーティションで Sherlock の内容検索を使用すると,明らかに関係ないデータまで拾ってしまうのと,索引の作成,更新に必要以上の時間がかかってしまう.これが今回パーティションをした理由のほとんど全てである.しかし,他にも理由が全くないわけではない.

2.断片化解消

私のマシンは 2400 なので CD-ROM ドライブがない.また, SCSI 機器を接続するのは PowerBook の利便性からいってあまりしたくない.そうすると単一パーティションで起動ボリュームを変更するためには工夫がいる.私はフロッピーディスクまた 16MB あるいは 8MB スマートメディアに Mac OS 8.1 のシステムを作ってそこから起動している.

ところが, Norton Utilities の Speed Disk を HFS + ハードディスクに用いようとしたところ,そのシステムでは作動してくれないのである.動作するようにシステムにリソースを追加するのはできないことではなかろうが今は少し忙しい時期だ.仕方がないので SCSI ディスクモードで他マシンに PowerBook を接続して行っている.

これがパーティションすることで簡単になる.ディスクの診断等でも同じである. HFS だと以前の Speed Disk のバージョンで問題ないのだが, HFS + だと以前のバージョンは使えないためにそうはいかない.

3.速度

単一パーティションはどうも遅いのではないかと感じてしまう.

というわけで, Sherlock のことさえなければ単一パーティションのまま使っていったと思うのだが,とにかく, Sherlock で索引化してもらいたいテキストデータ中心のボリュームを作成したかった.また,私は Mac OS 8.1 になってからメモリ上限の低い 2400 でやむを得ず仮想記憶を用いているのであるが,仮想記憶専用ボリュームを作成することで速度面に効果があるものかどうかも試してみたかった.

HFS + になって,アロケーションブロックサイズのことはほとんど考えなくて良くなった. HFS + のパーティションで考えるべきことは次のような点である.

1.一時書き込みディスク

Photoshop など仮想記憶を用いるアプリケーションにはアプリケーションの書き込む一時ファイルが断片化しないように専用のボリュームを設けた方がよい.このボリュームには他のファイルを書き込まないようにする.また,このボリュームは HFS にする.パーティションで対応する場合,できればアクセスが最小になるようなディスクの最適な位置を割り当てたい.一部サードパーティ製フォーマッタはこれが指定できる.

2. Sherlock 用パーティション

Sherlock の内容検索が不可欠の使用形態の場合,専用のパーティションを作成することで Sherlock をより有効に使用できる.

3.ディスクアクセスの高速化

ハードディスクをパーティションすることによってディスクアクセスを効率化でき,より速くデータを読み書きできる.ハードディスクの性能が上がって以前ほどではなくなったものの,この点は無視できない.

4.断片化の対応

ディスクアクセスの効率化と関連するが,断片化しやすいデータを特定パーティションに集中させることで,オプティマイズも短時間に行えるようになる.

5.起動ボリュームの切り替え

システムを複数切り替えて使用したり,メンテナンスを行う場合,複数パーティションは有利である.

Netscape などのキャッシュファイル専用パーティションはビギナーには有用であるかも知れないが,ある程度の経験者であれば, RAM ディスクを使用すればよりよい. RAM ディスクを使用できる場合はハードディスクのキャッシュ専用パーティションは不要であろう.

今回私が PowerBook 2400 の 4GB ハードディスクに施したパーティションは次の通り.

システム用仮想記憶専用ボリューム= 約 100 MB / HFS
システム,アプリケーション用ボリューム= 2.8 GB / HFS +
Sherlock 用データボリューム= 1 GB / HFS +

私はグラフィックには別マシンを使用するので,このマシンに Photoshop 用仮想記憶パーティションは必要ない. Macintosh の仮想記憶をどうするかはよく分からないのだが,これも独立したパーティションを割り当ててみた.これを自己満足というのだろう.開いたりするボリュームではないのでデスクトップが乱雑にならないよう不可視に設定する.メンテナンスボリュームとしては Sherlock 用ボリュームに最小限のシステムを入れておくことで対応した.

さて,このようにした結果であるが,まだ結論は出せないのだが,予想以上にアクセス速度が上がった.体感でしかないのだが,私には明らかに速くなったように感じられた.体感する程度の違いというのは相当の違いがあるということである.

これがパーティションのせいなのか,仮想記憶専用ディスクのせいなのかは判断がつかないにしても, Sherlock が理由で行ったパーティションであるが,実際には速度向上のメリットがかなりあることを再認識した.

(「その二」 Sherlock 編は次回にします)



(C) Akiyama Satoru



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