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ネット上で問い合わせる際のマナー
トラブル時の問い合わせ先,調べ方において,私はインターネット上での掲示板等の相談先を列記した.そうした相談先に私のリンクから訪れ,マナーを知らない振る舞いをする方がいらっしゃらないとも限らない.以下はマナーを十分にご存じない方々のために作成したものである.
ネットニュース,掲示板,メーリングリストについて経験のあまりない方は以下を必ずご参照願いたい.少々長いと思われるかも知れないが,それなりの意味がある.これらをご理解いただかないまま行動なさると多くの方々に迷惑をかけるばかりでなく,場合によってはご自身に思わぬ災いをもたらすこともあり得る.十分にご理解いただきたい.
1.インターネットを理解する
2.ネットニュース,掲示板,メーリングリスト等の目的
- 質問者はインターネットのマナーについて最低限の理解が必要である.インターネットは情報を共有することを目的としている.この点からさまざまな慣習が導き出されている.それらはインターネット参加者自らが学習すべきものである.誰かに教わるものとは考えないようにしたい.この点をしっかり認識すれば,自ずから利用の仕方も決まってくる.
また,ネット上の資源として自分が書いたものを公開する場合,それらが情報の共有という観点から多くの人々にどのような利益をもたらすか考えて行いたい.質問する場合,その質問を多くの人々が読む場合があること,書かれる場所は公共の場所であることをよく認識したい.
3.注意書きや利用法が書かれている場合はよく読む
- ネットニュースや掲示板,メーリングリスト等の目的は個別のトラブルの解消ではない.これらの目的は情報を共有することである.個別のトラブルについて書き込む意味は,そのようなトラブルが発生しうること,それらのトラブルの回避法があることといったことの情報を多くの人々の間で共有し,また,そのことによってコンピュータなどについての理解を深め,新たな知見を生み出し共有することである.もう一度強調したい.個別のトラブル解消が最終目的ではない.
4.回答を強要しない
5.基本的なトラブル克服法は試していること
- 回答者に回答する義務があるわけではない.回答者は自分の時間,経費を負担して何の義務もないのに回答してくれていることを理解したい.また,回答者が個別のトラブル解消を目的にして回答しているわけでないことも認識したい.そのため,回答を強要しないような配慮が必要だ.場合によっては「できれば回答して下さい」というへりくだっているかのように見える表現も婉曲に回答を強要するものと受け取られることも知っておきたい.
6.販売店,メーカー等への問い合わせを済ませていること.マニュアル,ヘルプでの確認を済ませていること
- 周辺機器なしでの動作確認, CD-ROM 起動での動作確認, shift 起動での動作確認, Mac OS 全てでの動作確認など,基本的な確認を済ませていること.障害だと騒ぐ一番多いケースはケーブル類が抜けていたり接触不良であることに気が付かない場合である.もう一度確認しよう.
7.過去に同じような質問と回答がないかよく調べること
- ネットニュース,掲示板等へ投稿する前に行うことについてはトラブル時の問い合わせ先,調べ方に記している.
8.標題に気を配る
- 掲示板やネットニュースは検索できる場合がある.メーリングリストもメールがたまってくれば検索できるようになる.それらでよく調べてから質問したい.たいていは過去に同じような質問がなされていることが多いのではないだろうか.
9.基本的情報を提供する
- 内容が分かるような標題を考える.ネットニュースや掲示板, ML等はデータベースともなりうるものである.したがって,標題はデータベースとして検索しやすいようなものを心がける.標題でしか検索できないものもある.また,ネットニュースや掲示板, ML等の利用者がその投稿を見るかどうかはその標題にかかっている.全ての人に自由な時間がたっぷりあるのではない.限られた時間で必要な情報を得ようとしている人たちの方が多いのではなかろうか.それら多くの人に標題だけ見て内容が分かるようにした方が結局は多くの人に見てもらえる.
データベースでの利用という点からは,標題を回答者などが頻繁に変えてしまうことはあまり感心できない.また,標題だけで内容がないものもよく考えていただきたいものである.資源を浪費するだけであり,そのようなものを投稿する価値はない.
標題に「助けてください」とか「緊急」,「至急」,「!」などという表現をすることは避ける.このような表現は内容にも記さない方がいいだろう.ここまで書いてきたように個人の都合で書き込むことは避けるべきことだ.これらの標題はそのことをわきまえず自己都合のみしか考えていないことを雄弁に物語るものとなる.そのような書き方はインターネットを私物化するだけでなく,回答する義務のない方々に回答を強要するように受け取られ,不快にさせる場合もあることを認識したい.
10.トラブルを解消する方法やプロセス,考え方が重要である
- 機種も症状もなにも書かれず,ただ「私の Mac が変です.助けて!」と書かれた投稿に回答することは大変困難である.基本的情報については 個人的なトラブル解決はどうすればいい ? に記している.
11.結果を要約して報告する
- どのようなトラブルも一般的なコンピュータ,インターネット, Macintosh についての基本的知識なしでの解決は難しい.逆に言うと,一般的な基本的知識を持つことでトラブルを予防できたり,速やかに克服できたりする.また,多くの方々がネットニュースや掲示板, ML等を利用するのもそうした知識を得られるからである.
質問者は性急に結果だけを求める態度を取らないようにしたい.そのような場合はこれらネット上の資源を利用するのは不適切である.有料サポート等を利用していただきたい.
回答者も個別のトラブルではあっても,どのようにして解法に至るかを示すことに重点をおくことが望ましい.例えば,これこれの操作をすれば解消するというように伝えるのではなく,どこそこで検索することで回避法を見つけることができるのでやってみて下さいとか,これこれの原因が考えられるので,後は自分でやって報告して下さい,あるいは,マニュアルの○○ページをよく読みましょう,というように回答することも考えられる.優れた回答者は質問者のスキルを向上させる観点を持って回答することができる人だ.次からは質問者が自分自身で問題に対処できるようになるようアドバイスすることが望ましい.
もし,その場限りでの回避法を示した場合,質問者は喜ぶだろうが,次の類似の障害時に応用する力はつかず,また同じように聞いてくるだろう.そのため,あきらかに初心者だと思える質問に安易に答えを示すことは質問者のためにならない場合もある.そのやりとりを見た他の初心者も安易に行動することになり悪循環が始まる.
したがって,一見遠回りに見える回答や,最終的な答えは示さずに方法だけ提案してくる回答があった場合,そのような回答者に行き当たったことを感謝したい.
12.メールでの回答の限定は避ける
- 質問者のトラブルの解消が最終目的ではない.トラブルを解消する方法やプロセスについて情報を共有することに意味がある.したがって,質問者には回答を元にトラブルを克服する「努力義務」が生ずると考えてもらいたい.また,結果を報告する「義務」があるとも認識しなければならない.
よく,回答された回避法を試す前に回答があったことだけに感謝の書き込みをする方がいらっしゃるが,これはなにも感謝しないのと大差ない.むしろ,寄せられた回答を試しもせずに書き込むのは失礼であると思われても仕方がないと思う.感謝を述べることは一見美徳のように思えるが,要約や結果を報告しないで感謝のみを述べるのは美徳ではなく,むしろ,インターネットの利用の観点からすると,回答した方々の努力をないがしろにする自分勝手な自己満足となってしまう.時間がかかってもいいから最後に必ず要約を投稿したいものだ.
初心者は感謝を述べることが回答者の期待に応えることとも,マナーであるとも考えるかもしれないが,大事なことはそうではない.感謝を示す方法は,自分が様々な知識を吸収し,それを次には公開することだ.例えば,次に同じような質問があったときに回答する側に回るなどして,主体的に参加することが期待されている.
寄せられた回避法を試しもせずに「急いでいたから買い換えました」などという結果報告をするのは論外であり,回答なさった方々を愚弄するものであるので決してそのようなことをしてはいけない.
13.複数の掲示板等への書き込みは避ける
- 回答を個別のメールに限定する書き方はここまで書いてきたようにインターネットについて誤解がある.そのように限定しないようにしたい.
14.氏名なし,ハンドルネームは避ける
- 同一の文面で複数の掲示板,ネットニュース, MLに投稿するものを見かけることがあるが,これは資源の浪費であるし,それらひとつひとつの掲示板等での回答を信頼してないという態度を示していると受け取られるだろう.気持ちは分からないわけではないが,このような行いは個々の掲示板等で回答する方々に大変失礼である.
例えば次のような場合を考えていただきたい.ある掲示板に回答が書き込まれ解決した後でも他方の掲示板に同様な回答が後から書き込まれる場合がある.この後から書き込んだ回答者の負担した時間と労力,善意を誰が償えるのだろうか.複数の掲示板に同一文面で同時に書き込む行為が大変嫌われるのは,このように善意を踏みつけにする利己的行動として結果する場合があるからである.
インターネット上の資源として考えた場合,複数の掲示板等で同一の個別問題が議論されることは非効率であり,回答者に無駄な努力を強いることになる.また,事例として情報を共有する観点からも複数の掲示板での書き込みをいちいちチェックして比較することとなり,情報に雑音が紛れ込むかもしれない.この点からも複数の書き込みが嫌われるのである.
他の場所への書き込みはどこかひとつに質問して回答が得られない場合に限るべきである.
フレームについて
- これはもう私の一意見であると言った方がいいほど,今日では乱れてしまった.インターネットでは所属と氏名を明示して意見交換することが原則であった.(原則で「ある」と私は言いたいのであるが....)
無責任な行いを助長することもあるハンドルネームは私には大きい弊害があると思える.また,できればメールアドレスも明記すべきであると私は考える.
ある掲示板では,メールアドレスが明記されていなかったり,確認されない投稿者は受け付けないようにしたところ,それまで問題のあった人間が出入りしなくなり,それらの者が意図的に起こしていたフレーム等がぴたりと収まった.また,ハンドルという慣習を普及させた張本人の組織は,今ではハンドルを禁止し,本名でなければ参加できなくしたと聞いている.
氏名やメールアドレスを明記することが現在では少々危険な場合があるが,そのような状況を作り出したものこそが,匿名やほとんどそれと等価であるハンドルであったのだと私は思っている.
どうか,これらの点について私の意見もご一考願いたい.ただ,現実問題として実名とメールアドレスの公開は勇気がいることであり,徐々に様子を見ながら行うことがいいかも知れない.
インターネットは様々な価値が同居する.私は以上のことをもってして,それら様々な価値の醸成を阻害するつもりはない.個人が新しい価値の創造を目指す明確な意志をもって,上記のことにとらわれない行動をなすのであれば,むしろ歓迎したい.しかし,そのような場合を見ることはほとんどなくなった.また,最近の多くの個別のトラブル相談の事例において上記のことを越えるだけの価値の創出が見られるとも思えない.
- インターネット上では主に文章だけの情報交換になる場合が多いために,場合によってはお互いの意図が通じ合わなかったりして議論が感情的になることがある.これらの感情的な応酬のことをフレームという.最近では意図的にフレームが起きるようなことをする不心得者がいたりする場合もある.自作自演したりとか,ありもしないことを書いて他の者がそれに引っかかってフレームが始まるのをみて楽しんでいたりするらしい.また,過去にはあるメーカーの社員が意図的に他社の製品をおとしめることを目的としてフレームを誘発するような一連の卑劣な破壊行動を組織的にインターネットで起こしたことがあるとも言われている.
フレームを誘発しないようにする最も有効は方法は「無視すること」である.一方が無礼なことを発言していると思っても,それはタイプミスであるかも知れない.ミスだからそれは無視すればいい.また,意図的に挑発しているかも知れない.挑発に乗らないためには無視することだ.
フレームに陥りやすいパターンは,ある書き込みに対してマナーについて注意された場合である.個々の事例はいろいろあるかも知れないが,私には注意される場合はそれなりの理由があることが多いように思える.注意されて感情的になるのは感情的に反応してしまった方が悪い.マナー違反があったとして何も注意されない場合はまた同じことを繰り返してしまう.マナーについての注意の仕方の表現もいろいろあろうが,基本的にありがたいものであり感謝すべきである.
私はこれまで本ページでの表現に関して無数の過ちを繰り返してきている.それらはタイプミスであることから勉強不足であることまで様々だ.そうしたことについて,私にお教えいただき,ご注意いただくメールは大変ありがたい.そうやって,私もいろいろ学んできた.マナーについても同様だ.注意をいただけることは幸せなことなのだ.
98/8/12
(C) Akiyama Satoru
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