Macintosh トラブルデータベース Archives |
Mac OS 8.6:仮想記憶容量の初期設定値 自動終了後の空のフォルダ Font Manager Updater での改善点(継続) 熱暴走の見分け方 .exe ファイル |
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[ 99/8/6]
● Mac OS 8.6:仮想記憶容量の初期設定値
TIL: 24955 : Mac OS 8.6: Virtual Memory Defaults To At Least 64 MB
以下のような内容である.
Mac OS 8.6 からは仮想記憶容量の初期設定値は,実装メモリ+1MB か, 64MB かのいずれかのうち,より多い方となる.それまでの OS バージョンでは,実装メモリ+1MB の値か各 OS バージョン毎の設定可能最小値のいずれかとなる.
Mac OS 8.5/8.5.1 を Mac OS 8.6 にアップデートした場合, 仮想記憶の設定値が 64MB 以下であっても, PRAM クリアするかメモリコントロールパネルの "初期設定値を使用" ボタンを押すまで,設定がそのまま受け継がれる.
●自動終了後の空のフォルダ
TIL: 19835 : Energy Saver: Empty Folders After Shutdown
以下のような内容である.
PowerMacintosh 9500 で System (漢字Talk) 7.5.3 の省エネルギー設定の自動終了を用いた後に起動すると,ハードディスクに日付の記された空のフォルダができていることがある.これは"Document Auto-Save" の機能をオンにしていると作成され,自動終了時に開いているアプリケーションのセーブされていないファイルをセーブするためのフォルダである.終了時にアプリケーションが開いていない場合にセーブされない.
● Font Manager Updater での改善点(継続)
園田氏から, Font Manager Updater 1.0 を使用することで PageMaker での PDF 書き出し時の障害が解消したとお知らせいただいた.
私の環境では PDF 書き出しで依然としてエラーが出るが, Font Manager Updater をインストールした後に,エラー表示の内容に変化があった.私の場合は他の要因があるのかもしれない.
参照:
7/30 項目 " Font Manager Update 1.0 "
7/25 項目 " Mac OS 8.6:PageMaker PDF 書き出しでのクラッシュほか Apple の対応状況"
●熱暴走の見分け方
コンピュータあるいは周辺機器が熱暴走していると思われるときに次のようにして見分ける.
● .exe ファイル
- ・障害が発生した時点で再起動またはリセットして障害が確認できない場合は熱暴走ではない.
・再起動など上記の切り分けで障害が持続する場合, 30 分以上システム終了してから起動して障害が再現されない場合,熱暴走の可能性が高い.
最近,ネットニュースや Web の掲示板等で ".exe" ファイルを使いたいという主旨の質問がよく見られる.
".exe" のようにファイル名称の最後にドットと 3 文字の記号が付いている場合がある.これは拡張子といって,拡張子がついたファイルは Windows や DOS 用のファイルであることが多い.拡張子は Macintosh でいうとファイルとクリエータに相当するようなファイル属性を示したもので,これをファイル名称の一部として扱うのが Windows のファイル管理方式なのである. Macintosh のみのユーザにはうっとうしい拡張子であるが, DOS や Windows ユーザは拡張子によってどういう種類のファイルか見分けることができる.( Macintosh ではファイルアイコンで区別できる.)多くの拡張子のうち Macintosh のアプリケーションから開くことのできるデータファイルを示す拡張子(jpg や txt など)もあるが, ".exe" ファイルは実行形式のファイル (アプリケーションのようなもの) であり, Macintosh で実行することはできない.これは Windows 上で Macintosh のアプリケーションを実行できないことと同じである.
つまり, ".exe" ファイルはエミュレーション環境でなければ Macintosh では実行できないし,仮に Macintosh 上で実行できるようなことがあってもそれらの命令は無効であり意味がない.もちろん,SoftWindows や Virtual PC 上で実行することは可能である.(自己解凍型の圧縮ファイルでデータファイルを圧縮したものは利用できることがある)
さて... ,ここまでの記述は,本ページをご覧になっている大半の方には既知のことであり,私が当たり前のことを書いたことを初心者に向けて書いているのだろうと思う方もいらっしゃるかも知れない.それもあるが,実は,本題はここからである.
".exe" ファイルのことを聞くのはコンピュータ初心者かも知れない. ".exe" を知らない Macintosh 熟練者がいてもおかしいわけではないので一概にコンピュータ初心者とは言えないかも知れないが,ネットニュースや Web 上の掲示板などでこれらの質問がされている場合,少なくともネットワークについては経験の不十分な初心者であることが分かる.他スレッドに何度も同じ質問と回答があるのにそれを参照しないで同じ事を質問していることや,ネットニュースでハンドルネームのみで署名がないとかハンドルさえない場合もあること,商用パソコン通信で使われる「アップ」とか「レス」とかいう言葉をインターネット上で見かけたのか見よう見まねで使用することなどで分かる.
これらの初心者は初めて Macintosh を購入してインターネットに接続したものの,いろいろと戸惑うことも多いのだろう.分からないまま方々の Web ページを見ていくうちにいつの間にか ".exe" ファイルを入手するのである. 従って,中にはそうして入手した ".exe" ファイルが危険である場合があることを知らない人もいるのである.
そのような質問に対して,エミュレーション環境で実行できるとか, PC (PC はパソコンではない.PC/AT 互換機のこと)で実行できると言って初心者がその通りすると,初心者ゆえに予想もしない結果となる場合があるかもしれない. PC の世界では Macintosh と異なり,いろいろ用心も必要である.
正体不明の ".exe" ファイルの場合, ".exe" ファイルを実行すると C ドライブを消去したり,ウイルスを植え付けたりする可能性もあるだろうが,初心者が質問してくる ".exe" ファイルは多くの場合 Web ページ上で配布されているものを入手したものであると思う.
これらのページの中には,うまい話(たいがいは非合法な)が書かれているものなどがあり,初心者がそれを鵜呑みにして入手した ".exe" ファイルを実行すると自動的に PPP からダイアルアップ接続するものがあるそうだ.接続先は海外の電話である.ユーザに後日法外な電話料金が請求されたり,場合によっては接続先のページで初心者が何も分からないまま理不尽な契約を結んでしまう場合があるかも知れない.経験を積んだユーザであれば, ".exe" ファイルの不審な挙動に途中で気が付いて実行中に強制終了させるだろうし,まずそのようなファイルを入手すること自体ないだろうが,初心者はよくわからないまま入手して実行してしまうこともある.
".exe" ファイルが実行できないと聞いて質問者はがっかりする場合もあるかもしれない.そのような初心者の中には PC を買わないで Macintosh を購入したことを後悔する人もいるかも知れない.そうではないのだ.実行できない Macintosh を購入したこと,つまり Macintosh の平和な文化を喜んで欲しいものだ.
参考:
99/3/13 項目 " iMac :無料進呈の詐欺まがい商法"
追記:
落合氏のご指摘により,当初発表した表現を一部改め,補足した部分がある.
(C) Akiyama Satoru