Macintosh トラブルデータベース Archives |
Yano USB フロッピードライブ:コピー中のフリーズ:回避法ほか Mac OS 8.5 に本格的アピアランステーマが含まれなかった理由 Mac OS 8.5.x:フォルダ容量の計算 Apple システム・プロフィール使用後の CD-ROM マウントの遅れ Adobe PageMill 3.0 :起動時の Type 3 エラー EGWORD 9.0 と Norton CrashGuard の非互換 モニタのスリープ復帰時の音 Apple 製プリンタの情報源 Norton Utilities 4.0.3 日本語版アップデート 最近経験したこと:ハードディスククラッシュとユーティリティ |
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[ 99/3/20]
● Yano USB フロッピードライブ:コピー中のフリーズ:回避法ほか
99/3/16 項目 " iMac :スリープや解像度変更でブラックアウト" 項目中で触れられた Yano 製 USB フロッピードライブでのコピー中のフリーズについての回避法を首藤氏からお知らせいただいた.
首藤氏は氏の iMac Rev.A で,当初必ずフロッピーにコピー中,フリーズした.特に, DOS フォーマットフロッピーで顕著であった.氏は iMac Firmware Update が公表されたときに,同じころ Yano から公表された USB 関連のアップデートと同時に併せてアップデートしたところ,症状は改善されたそうである.
首藤氏によれば,ファイル数が多いフロッピードライブのマウントに数十秒から場合により1分近くかかる問題が残っている. Yano に確認したところ,現状のモータやドライバでは解決できないとの回答があったそうである.
● Mac OS 8.5 に本格的アピアランステーマが含まれなかった理由
Mac OS 8.5 発表まではアピアランスコントロールパネルで指定できるフォルダやウインドウの外観の変化したいくつかの本格的テーマが同時に採用されるという情報が流れていた.ところが,実際に発表された Mac OS 8.5 にはそれらのテーマ は含まれず,これまででも設定可能だった範囲のものだけがテーマなっていただけであった.
私が Apple で聞いた話では, Apple は直前まで本格的なテーマを用意しようとしていたのだが,それらテーマは安定して動作することができず,そのため, Mac OS 8.5 に間に合わず組込みをあきらめたそうだ.将来のバージョンでの組込みを考えているという.
● Mac OS 8.5.x:フォルダ容量の計算
Mac OS 8.5/8.5.1 はそれまでの OS のバージョンに比較してフォルダ容量の計算に時間がかかるようになった.これはそれまでの OS ではフォルダ容量の計算に CPU が専有されたのに対して, Mac OS 8.5/8.5.1 では他の処理と並行して行えるようになったためである.
● Apple システム・プロフィール使用後の CD-ROM マウントの遅れ
Apple システム・プロフィール使用後に CD-ROM もマウントに時間がかかるようになることがある.一部の拡張フォーマットあるいはオーディオの CD-ROM ディスクのマウント時にこの障害が現れる. Apple ではこの問題を調査している.
● Adobe PageMill 3.0 :起動時の Type 3 エラー
Adobe PageMill 3.0 起動時に Type 3 エラーが発生する場合,そのシステムの QuickTime バージョン2.5 以下が原因である. QuickTime 3.0.2 以上にバージョンアップすることで回避できる.
● EGWORD 9.0 と Norton CrashGuard の非互換
横山氏によれば,Norton Utilities 4.0 インストール後, EGWORD 9.0 使用中に Norton CrashGuard が PowerPC 例外 - マップ済みでないメモリの例外と報告し,アプリケーションの終了か再起動せざるをえなくなった.エルゴソフトのサポートに電話したところ, CrashGuard 自体と当たっているとして,機能拡張マネージャで CrashGuard を外すように回答された.
私のページでは CrashGuard に関しては 97/10/12 項目 "Norton 5.3.1 Updater(英語版)適用で Speed Disk他に問題" 中で「 Norton CrashGuard は OS 8 では外しておかれる方がよいだろう」と記述した.また,重ねて 98/9/10 項目 " FAQ : FileSaver " 中に次のように書いた.これらの判断に変化はない.
- 昨年 Mac OS 8 発売直後に私は本ページで Norton CrashGuard を使用しない方がよいと記述した.多くの方は使用されていないと思うのだが,中にはその後私のページを参照されるようになったユーザで使用している方もいるかも知れない. CrashGuard はあまり役に立たないどころかエラーの発生源となっているので外した方がいいだろう.
●モニタのスリープ復帰時の音
TIL: 24827 : Apple Studio Display 17-inch: Degausses When Awakened
モニタがスリープから復帰するときに出す音やきしむような音は消磁の音であり,障害ではないという内容.
● Apple 製プリンタの情報源
TIL: 26186 : Support for Apple Printers
Apple Tech Info Library に Apple 製プリンタに関する Apple の各種 TIL 等についての一覧などが載ったファイルが公表されている.
● Norton Utilities 4.0.3 日本語版アップデート
2 月上旬に公開された米国版アップデータとほぼ同じ内容であるが, B's Crew 2.x でフォーマットされたリサイズ可能なHFS Plus パーティションとの互換性の改善が試みられている.リサイズ可能な HFS + パーティションに Disk Doctor Ver4.0 を実行後, HD をマウントできなくなる問題が発生しなくなるとされている.ただし、B's Crew3.0のジョインドライブ機能には対応していないそうだ.
4.01からの改善点私のように, Norton Utilities がインストールする機能拡張やコントロールパネル類を手動でシステムフォルダ外に全て外して使用しているユーザでそれらのファイルも簡易インストールによってアップデートしたい場合は,古いバージョンのそれら機能拡張類をコントロールパネルフォルダや機能拡張フォルダなどのシステムフォルダ内に戻してアップデータを起動しなければならない.カスタムインストールで個々の項目を選択した場合はどこにあってもアップデートしてくれるようだ.
- ・ Mac OS 8.5.1 上での動作確認を行い,問題がないことを確認.
・ B.H.A 社の B's Crew 2.x でフォーマットされたリサイズ可能な HFS Plus パーティションとの互換性を改善.これにより,リサイズ可能な HFS Plus パーティションに Disk Doctor 4.0 を実行後, HD をマウントできなくなる問題が発生しなくなる(ただし, B's Crew 3.0 のジョインドライブ機能には未対応)
・ Disk Doctor Ver 4.0.3 では処理能力が改善され,修復不可能なエラーのインスタンスを減らすよう改良.
・ Mac OS 8.x では,損傷したフロッピーやリムーバブルディスクを挿入すると, Finder クラッシュの原因となることがある. Norton Disk Doctor を起動して,オプションキーを押しながらディスクを挿入することでディスクは Norton Disk Doctor のドライブリストに追加されるが,デスクトップには現れない.
・ Disk Doctor のメインウインドウでドライブが選択されていれば,エンターキーを打つことでそのドラ イブが検査できる.
・ UnErase での回復を改善.
・ Wipe Info に関して, Norton Utilities CD から起動したときに,標準的なブートボリューム上の未使用スペースが抹消できなかった問題を解消.
・FileSaver は,ディスクドライバについてより多くのデータを保存し,ボリューム復活率を改善.
・ Mac OS 8.1 以降の 256 色環境で DiskLight の表示が正しくなかった問題を解消.
・ SuperDisk ドライブでフロッピーディスクを修復する際の問題を解消.
・ FileSaver はネットスケープキャッシュファイルの追跡をしなくなった.
・Norton Utilities のメインメニューにボリュームをドロップすると,NDD が起動して検査が始まるようになった.
・ Disk Doctor での壊れた Unicode 文字列の取り扱いを改善.
アップデータはファイル名称で区別するらしく,プログラム名称をユーザが書き換えている場合にはアップデートしてくれないので注意.また,バージョン番号であるが, 4.0.3 アップデータとあるが実際にアップデートされた各アプリケーションを情報を見るで表示させると 4.03 となっている.
私は "Norton Disk Doctor" と "Speed Disk" 以外の機能は使わないので機能拡張フォルダやコントロールパネルフォルダにインストールされるものを全て外している. "Norton Shared Lib" については "Norton Disk Doctor" と "Speed Disk" のあるフォルダの同一階層に置いておけばよい.
"Norton Utilities" という名称のファイルは "Norton ツール" フォルダ内の各アプリケーションのランチャーのようなものである.もしも "Norton ツール" フォルダ中に古いバージョンの Disk Doctor などのアプリケーションのバックアップなどが新しくアップデートされたものと同時に入っている場合, "Norton Utilities" から起動すると古いバージョンが開くので注意されたい. "Norton Utilities" のエイリアスなども作成されるようになっているが,これも同様の注意が必要である.
参考:
99/2/7 項目 "米国で Norton Utilities 4.0.3 アップデータ配布"
●最近経験したこと:ハードディスククラッシュとユーティリティ
以下,書いてみたら結構長くなった.お急ぎの方は最後の教訓部分だけお読みいただければよい.
「ケース 1」
私のところにも ATOK12 が届いた.また,私は最近になってPowerBook G3 Series を購入したのだが,時間がなくて移行することがなかなかできず, PowerBook 2400/240 ( IBM DTCA-24090 4GB に換装 )のまま使用していた.時間ができたので移行時にハードディスクの内容を全て移した後に PowerBook 2400 に ATOK12 を入れてテストしようとした.
PowerBook 間のデータ移行は HDI-30 SCSI ペリフェラルケーブルと HDI SCSI ディスクモードケーブルを組み合わせて,一方の PowerBook に他方の PowerBook を SCSI ディスクモードによって直接接続の上,認識させて行った.私は PowerBook SCSI ディスクモード( HD ターゲットモード)での "PowerBook SCSI ディスクモード" コントロールパネルの設定に関して,出荷時設定の ID 2 を一方の PowerBook については変更して行った.両方の PowerBook の SCSI ID が 2 でも問題ないのではないかと思うのだが,さすがにそれを試そうという気はない.これから書くようなことになったらどうしようかと思うからである.どなたかご存じの方はお教えいただきたい.
PowerBook 2400 には CD-ROM ドライブがついていないので ATOK12 の CD-ROM からのインストールが簡単にはできない.私は SCSI ディスクモードでデスクトップ機に接続してそこからインストールしようとした.ところが,実際に SCSI ディスクモードで PowerBook をマウントした後, ATOK12 インストーラを起動したところ,実行中のシステムにしかインストールできないことが分かった.ここで私がとるべき行動は次のうちのひとつであったはずだ.
- 追記:
PowerBook 同士の SCSI 接続時の SCSI ID の設定については 22 日項目 " PowerBook 同士の SCSI 接続での ID 設定" において,同じ ID 同士でも衝突しないことを記した.
ATOK12 インストール後のフリーズなど不具合の報告をいくつか受け取っていたためにリスクの存在を認知していた.しかし,私はデータを移行しているという気安さから,そのままインストーラをデスクトップ機に実行することに方針を変更した.デスクトップ機にインストールされた ATOK12 のファイルをそのまま PowerBook に移行すればいいと考えたのだ.
- 1.そのままマウントされた PowerBook のハードディスクに ATOK12 インストーラをコピーし,デスクトップ機を終了し, PowerBook から起動してインストールする.
2.デスクトップ機を終了させ, PowerBook を分離し,双方を改めて起動し,ネットワーク越しに PowerBook にデスクトップ機の CD-ROM をファイル共有機能を使ってマウントし,そこからインストールする.
3.インストールをあきらめる.
私はインストールの際には別の最小限のシステムにインストールするので最小限のシステムにインストールしたのだが,インストール終了後, ATOK12 インストーラは再起動を強制する.そのため,再起動をしたのだが,そのまま Macintosh はスローダウンしてフリーズしてしまった.他に手の施しようもなくキーボードリセットした.起動後,不幸にして PowerBook はマウントされなかった.いくつかのハードディスクユーティリティを試したが, SCSI ディスクモードでは認識されない.他の SCSI 機器を外してもだめだった. SCSI ではいろいろなことがあるので,ここでは私は SCSI ディスクモードをやめれば何とかなると思っていた.
PowerBook を外して単体で起動させてみると?マーク点滅となっている.最初は他から起動するとマウントするくらいの障害であろうとたかをくくっていた. ATOK12 をインストールするつもりで最小限のシステムに変更していたのだが,それが認識されていないのだと思っていた.悪くても Disk First Aid などで簡単に直ると思っていた.
とにかくマウントさせないと始まらない.たが, PCカードのスマートメディアから起動してみると,内蔵ハードディスクはマウントされなかった.内蔵ハードディスク内の起動システムフォルダの問題ではなく実際に障害がある.スマートメディア内の Disk First Aid を起動したが認識されないので,メンテナンス用システムの入っている外付けハードディスクを接続して修復しようとした.
ところが, Disk First Aid, Norton Disk Doctor, MacTools Pro 5.0, TechTool Pro 2 のいずれでも認識できない.これは重症だ.ハードディスクの先頭領域に損傷がある.私はバックアップはあるものの,その後 Netscape を一回使用したのでその履歴を救い出したかった. Netscape の履歴は RAM ディスクにあるのだが,毎日自動的にハードディスクの別パーティションに RAM ディスクをバックアップするようにしてあるので,それを吸い出したかった.また,このまま新しい別の PowerBook に移行するとはいうものの,これまで使っていた PowerBook はそのまましばらくはバックアップマシンとして置いておくつもりであった.でなければここであきらめて初期化したところである.
私は次にドライバを再インストールしようとした.ところが,ドライブ設定 1.6.2 がハードディスクを認識しない. Drive 7 と HDT はハードディスクを認識するものの(同じサイズのはずなのに)ドライバパーティションサイズが違うといってドライバをインストールできない. Silverlining Lite を使用すると, HFS ボリュームをマウントするかと聞いてきた. 私は HFS + にしていたのだが,とにかくOK した.しかし,マウントできない.ここで Norton を使用すると未確認ディスクとして初めて認識された.しかし, Norton の修復は事態を悪くした. PowerBook からの起動では?マークも出なくなり,液晶モニタが明るくなるだけだった.スマートメディアや外付けハードディスクからの起動も起動途中でハングし,手の施しようがなくなった.
私は修復はもうあきらめた.データのみ吸い出したかったので,ここで再び SCSI ディスクモードとし, Data Rescue 2.1.1J を試してみた.これはすごい.他のユーティリティが全く認識できなかったものを認識し,起動ディスクのパーティションにあるデータは無傷で救い出せるようだった.試しに復旧してみた 100 MB 程度のデータはそのままフォルダの構造やカスタムアイコンまでもそのままに全く問題なく救い出せた.私はデータを移行していたために全てのデータを復旧する必要がなかったので確言できないが,起動ディスクのパーティションのデータは間違いなく全て救い出せたと思う.
しかし,別パーティションのデータは一見救い出せたように見えたのであるが,実際にそのデータを開こうとすると,作成したアプリケーションが見つかりませんとして開くことができなかった.これらのデータのうちもともとが TEXT データであったものをエディタで開いてみると,バイナリデータのようであった.どうも他のファイルやアプリケーションなどの内容の一部が別のファイル名となって保存されている.なおかつ,そのバイナリデータの開始終了位置はでたらめである. Norton での復旧で管理領域のファイル構造が誤って書き換えられたとか,パーティションマップが破壊されているとかが原因であろう.以前私はパーティションに関して,データ復旧はパーティションしていない方がいいと書いたことがあるのだが,全くその通りであった.
私は FileSaver を使用していないのであるが,それを使用していたらデータを復旧できる可能性もあったかも知れない.しかし,いつも書くように私が信頼するのはバックアップである.このようなことがあっても FileSaver を私は使用していない.結局, PowerBook 2400 のハードディスクは初期化することになり,一回ブラウズした Netscape の履歴は救い出せなかった.私は一回のブラウズで数百ページを見るのでこれはちょっと痛かった.
「ケース 2」
一年に一回あるかどうかというハードディスククラッシュであるが,ある時はあるもので,その日のうちに別のハードディスクが大変なことになった.あまり通常は使っていない外付けのハードディスクなのだが,上記事故の後,各ハードディスクを点検した.その際,そのハードディスクは Disk First Aid と Norton では問題ないと出るのだが, MacTools Pro 5.0 で問題が報告された.修復させても修復できないと報告される. TechTool Pro 2 を試すとやはり問題が報告され修復するかという.修復させるとハードディスクは破壊された.
Disk First Aid では修復できなかった.ここで私がとるべき行動は後から考えると,あきらめる以外には Data Rescue でデータを復元することであった.しかし,私が行ったのは Norton Disk Doctor で修復させたことである.修復はさらに事態を悪化させた.修復終了後,ハードディスクルートのファイルは復元できたが,それ以外のデータは消失した. Norton Disk Doctor がハードディスク管理領域を書き換えてしまったために,ハードディスク管理領域のファイル情報を元にファイルを復元する Data Rescue はもはや手遅れだ.実際,何も救い出せなかった.結局ハードディスクは初期化せざるを得なくなった.
「いくつかの教訓」ここまでは私がこれまで何度となくここで書いたことだ.今回新たに加わったのは次である.
- ・バックアップにすぐるデータ保全手段はない.
・市販ハードディスクユーティリティは使い方によっては事態を悪化させる.最後の手段と考えるべきだ.
・データ復旧のことを考慮すれば,ハードディスクを単一パーティションとした方がよい.Data Rescue については 98/12/2 項目を参照されたい.誤解されては困るのだが,Norton など市販ハードディスク診断修復ユーティリティでハードディスクが回復したことは幾度もある.場合によって有益なユーティリティであることに変わりはない.
- ・ Data Rescue はかなり有効で強力なデータ回復手段である.
・ Data Rescue はその原理を知って,適切な時点で使用しなければならない.具体的にはハードディスクを認識できないなどの事態が起きた場合,まず最初に Data Rescue でデータを救い出すべきで,ハードディスク修復ユーティリティでの修復を行った後では手遅れの場合がある.
・ときにはふて寝でもしたほうがよい.
最後に書いたふて寝は少しは冗談もあるが,有効な障害対処法であることが多い.そのうちその理由も書いてみたい.
ところで,そもそも最初に書いた ATOK12 であるが,これはずいぶんいい.しばらくはそれまで使っていた ATOK11 も併用するつもりだったけれども ATOK11 は全く使わないですんでいる.
(C) Akiyama Satoru