Macintosh トラブルデータベース Archives |
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[ 98/11/9]
本日項目でクラリスワークスに関連した記述をしたので,その内容を含んだ次の Tips & FAQs を作成し公開した.
内容は以下である.また, 11/5 項目「 OS インストール後のアプリケーションインストールによるトラブル」の内容を多少修正した上で,次の Tips & FAQs を収録している.
- 「ディスクが満杯」と表示されて保存できない
システムアップデートすると書類が開けなくなった
古いアプリケーションなので新しい OS に未対応だ
書類を閉じたり,保存(プリント)しようとするとエラーが出る
iMac でシリアル登録できない
11/5 項目を読まれた方には改めて参照なさる必要はない.
● Norton AntiVirus 5.0.3 E でのハードディスク損傷
TERO 氏のケース.アップデータにより問題が解決できていない点と,ハードディスクの損傷に至る場合があることをお知らせ下さった.ただし,機種等により起きないこともあるようだ.
公表されたばかりの Norton AntiVirus for Macintosh 5.0.3 Updater によってアップデートされた Norton AntiVirus 5.0.3 英語版を, Monitor VIrus-like Activities を None (ウイルスらしい活動を監視しない)にせずに, AppleShare Client 3.8 および 3.8.1 による大容量ファイルのネットワークコピーをしてフリーズした.
アップデータには Mac OS 8.5 で共有ボリュームのコピーが "Auto-Protect" のために妨げられる障害が修正されたとあるが,依然として問題が残っているようである.( 8600/200 +MaxPowr/Mac OS 8.5)
参照:
98/10/19項目 "Mac OS 8.5 と Norton Antivirus:ネットワークサーバへのコピーの問題"
98/10/24 項目 " Mac OS 8.5 :抗ウィルスソフトとのネットワークでの問題(継続)"
ところが, PowerBook 550c/603/100Mhz (Mac OS 7.6.1) でこの障害が発生した後,再起動しようとしても起動できず,他のディスクのシステムから起動して調べたところ,ハードディスクが損傷していた. Norton Disk Doctor 4.x でも修復できなかったそうである.
氏は Mac OS 7.6.1 , Mac OS 8.1 クリーンインストールでも試したが,再現性は 100 パーセントであった.マシンは PowerBook 550c/603/100Mhz であったので, 8600 ( Mac OS 8.5) で追試したところ,こちらではフリーズはするもののディスクの損傷はなかった.ある条件が重なったときに生じるようであるが,生じたときの事態は重大である.
●ファイル・シンクロナイズ:メモリエラーの原因判明
PowerBook G3 Series などに備わっているファイルシンクロナイズを使用するとメモリーエラーと表示される問題の原因が判明した.
これは Mac OS 8 以降のシステムバージョンでファイルシンクロナイズをインストールして使用すると,メモリ不足と Type 2 エラーと表示されて使えないという問題. Mac OS 8.5 でも起きていた.
このことについてファイルシンクロナイズのダイアログボックスに現れるフォルダにカスタムアイコンが使用されている場合に障害が発生することが分かった.従って,回避法は同期させたいフォルダにはカスタムアイコンを使わないことである.ただし,そのフォルダに内包されているフォルダ(ファイルシンクロナイズダイアログボックスに表示されないフォルダ)にカスタムアイコンが使用されていても問題は発生しない.
カスタムアイコンを削除するには情報ウィンドウのアイコン部分を選択して delete キーを押す.
(参考: 98/10/12 項目「ファイルシンクロナイズ: Mac OS 8.5 では使えない」)
● Mac OS 8.5 :仮想記憶オフ後の Type 7 エラーの原因(続報)
Mac OS 8.5 で仮想記憶を切った後に起動した際, Finder ロード時に " Finder エラー Type 7" と表示され起動できない問題( 98/10/30 項目初出)について Apple は TIL 24710 を公開した.
Type 7 エラーは 68k エミュレーション時にユーザーモードで特権命令を実行しようとするときのエラーである.特権命令は管理モードでなければならない.仮想記憶をオフにした場合, Mac OS 8.1 までの 68k エミュレーションは仮想記憶オフ時に管理モードで動作したのに対して, Mac OS 8.5 からはユーザーモードで動作する.
アプリケーションのうちには仮想記憶がオンかオフかを調べることによって,ユーザーモードか管理モードか判断するものがあり,そのようなアプリケーションを Mac OS 8.5 で使用するとクラッシュすることがある.
そのような場合に仮想記憶をオンにすることは有効な回避法である.基本的にこれらは機能拡張を含むサードパーティ製ソフトウェアが Mac OS 8.5 に対応していないことに原因がある. shift 起動で立ち上がるような場合は未対応の機能拡張類を外すか,仮想記憶をオンにする.
● Mac OS 8.5 : Multilingual Internet Access とクラリスワークス
みやおか氏からお寄せいただいた. Mac OS 8.5 で Multilingual Internet Access をインストールしていると,クラリスワークス V 4.0 の既存の書類を開いたときに, Type 1 または 2 のエラーが発生してアプリケーションが終了する場合がある.
Multilingual Internet Access については以下の 2 バイト言語圏の 3 種が全て揃ったときに障害が発生する.上記のうち,ひとつでも欠けると障害は発生しない.また,新規書類や新たに保存した書類では問題が発生しない.
- Korean Language
Simplified Chinese Language
Traditional Chinese Language
● Mac OS 8.5 でファイルメーカーPro ファイル損傷?
MacInTouch 11/6 は読者からの情報として Mac OS 8.5 でファイルメーカーPro を使用するとデータベースが壊れることがあると紹介している.読者の報告では Mac OS 8.5 のキャッシュにバグがあり,すぐにアップデータが公開されるだろうということである.
実は私も経験している.( 4.0 v.1) Mac OS 8.5 でデータベースを開くとスクリプトのソートやサーチの情報が壊れている部分があった.それ以降は問題ないようだが.... Mac OS 8.5 で使用する際にはデータベースのバックアップを確実にとってから使用したい.( 4.1 アップグレードは届いているのだが,梱包を開く時間さえない)
● FAQ :システムアップデート後,クラリスワークスで書類が開けない
システムをアップデートしたら,それまで開くことのできていた形式の書類をクラリスワークスにドロップしても開かない.メニューの開くから見たら,そのファイルが認識されていない.どうしたんだろう.
システムフォルダ内に "Claris" フォルダがあることを確認する.ない場合は古いシステムまたはバックアップなどからコピーする.また,初期設定フォルダ内の "XTND Translator List" を捨てる.
●よもやま: Sherlock の内容検索ほか
私の Sherlock 索引作成はようやく終わった.ちょうど一週間かかっている.その間 Macintosh のフリーズが 4 回あり,その度に更新という形でやり直さざるを得なかった.もし,フリーズがなければ,三四日ほどで終わっていたのではなかろうか.
索引作成後の内容検索は一週間かかっただけの価値以上のものがあった.多分私は Sherlock の内容検索なしにはこれからの Macintosh 活用法を頭に思い描けないだろう.
私はインターネットを利用し始めてからやたら Macintosh にデータを保存するようになった.メールは最たるものだ.インターネットで見かけた情報でちょっとでも役立ちそうなものは片っ端からセーブし続けている.
しかし,インターネットを利用し始めて何年も経ってくると情報をどこに仕舞ったか分からなくなるどころか,どのような情報があったかということさえ分からなくなってしまう.ハードディスクに作成されたテキストデータが 500 MB ともなってくるとそれも当然だ.(これでも相当量を捨てているのだ)
これまでの Apple の検索ツールでは内容検索について時間がかかりすぎ,実用とはほど遠かった.また, Apple 以外の検索ユーティリティについても時間の問題はつきまとった.そのため結局は自分自身の記憶に頼るしかなく,私が生まれついてもっていた貧弱な記憶装置は単なる忘却装置にすぎないことを発見するばかりだった.忘却装置であると思えるのはまだ上出来の部類だ.保存したデータがあることを憶えているだけまだましで,通常は実は過去に知っていたことを全く新しく目にするように経験しているという毎日なのではなかろうか.
Sherlock の内容検索がその状況を改善してくれるというと誉めすぎだろうか. Sherlock の索引作成後の内容検索は私に Macintosh の利用について全く新しい世界を示してくれるように思えた.それなりのデータが蓄えられていさえすれば, " Macintosh は Knowledge Navigator になる" という,いつしか聞いたなつかしい言葉を思い起こさせてくれた.
私はなぜ Apple が Sherlock をこれほどまで喧伝するのか最初は不思議だった.単なる検索ソフトウェアにすぎないではないかと思っていた.しかし,私は内容検索についてその真価を目の当たりにした.そして, V-Twin 検索エンジンが発表されたときの過大なほどの賞賛を思い出した.また,なぜ Sherlock というネーミングをしたのか,ようやく分かったような気がする.やはり Apple は Apple だったという思いを近年になく強めたものだ.私にとっての "Hello Again" は iMac ではなく Sherlock だった.
Sherlock はその索引作成に時間がかかるボリュームでこそ威力を発揮する.あきらめないで取り組んでいただきたい.蓄積したデータのあるユーザにとって, Mac OS 8.5 は Sherlock があるだけでアップデートする価値がある.
Sherlock の索引作成は 7 日目になって突然と思われるような具合で終わった.相変わらず "あと約 101 時間" と表示され,バーが 4 分の 1 程度まで進行していたものが, 10 数分後気が付いたときにはバーが目に見えるほど動き始め,あと 47 時間と表示され,見ている間にバーが最後まで達し,あと 8 分となりその後,表示時間通りに終了した.
索引作成を中断して Macintosh を再起動することは可能だが,索引作成プログラムは最初からやり直す.一度作成された領域についての更新はやや速いものの,索引作成中にはキャンセルしないで Macintosh を駆動し続けた方がよいだろう.つまり,私はこの一週間,通勤中や車での移動なども含め, PowerBook をスリープなしに駆動し続けていたのである.
Sherlock の初期設定に索引作成に関しての CPU 専有割合のスライダーバーがある.これを索引作成に最大に割り当てたが, Macintosh の応答は著しく低下した.Sherlock の索引作成が終了したときにはこれで一週間ぶりにやっとスローダウンから解放されるという喜びが先立った.しかし, Sherlock での内容検索を経験した今はそんなことはどうでもよくなった.
内容検索の結果からファイルの要約を表示させる方法が良く分からなかった.一応,ファイルを control+クリックしてコンテクストメニューを表示させ "要約をクリップボードに表示" でできることは分かったが,もっといい方法があるのだろうか.できれば検索結果の複数のファイルの要約を同時に比較できるように表示したいものだ. HTML ソースファイルの要約でタグが出るのは何とかして欲しい.
Sherlock の索引作成については改善点があると思う.私の 4 GB ボリュームのうち,索引作成が役立つのは実質 500 MB ほどだ.そこだけを指定して作成できればこれほど時間はかからなかったかも知れない.(ラベル指定で索引対象から「外す」方法はあるが,「指定」する方法がない)また,フォルダ毎などユーザが分類した分野別に複数の索引を同一ボリューム内に作成できるようになるといいと思う.(現状では Sherlock の内容検索に使いたいファイルのみを入れる専用パーティションを複数作成するという方法が考えられる)
作成された索引は更新しなければならないのだが,私の場合, CPU 専有割合のスライダーバーを左から 2 番目のメモリにしたときの索引の更新には 10 数時間かかった)更新についても更新ファイルなどを指定してそれだけ更新されるようにはならないものだろうか.
あと,索引作成中のバーはユーザの希望をうち砕くようにがんとして動かないというものではなく,ユーザに希望を持たせてくれるようなものにして欲しいものだ.
Sherlock 索引作成中に経験したフリーズは,ヘルプセンターを表示しようとして 2 回, 8.1 時代に作成したエイリアスをダブルクリックして 1 回, Netscape 使用中に Type 1 エラーが 1 回であった.ヘルプセンターのエラーは再現性はなかったが同じような場面で起きた. Type 1 エラーは単に搭載メモリが足りなかっただけだろう.エイリアスについては私はなにかバグが Alias Manager にあるのではないかと思った.
新しい OS のバージョンを使い始めて最初はフリーズをはじめいろいろ経験するものだ.そのような経験を繰り返し積み上げることによって,私の使用環境も徐々に安定してくるはずだ.私自身は Mac OS 8.5 の安定度は Mac OS 8.1 よりさらに増していると感じている.
アップルの Sherlock ページ
(C) Akiyama Satoru