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漢字Talk7.5.2(とPCI-Mac)の問題点と注意点(旧)

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このページにはすでにアップデート版があり,ここに書かれた情報は古くなっているものがあります.アップデート版をご参照の上ご覧下さい.


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Triangle Macintoshニュース Triangle HomePage




Macintoshニュース中のTopics「漢字Talk7.5.2(及びPCI-Mac)の問題点と注意点」を再編成して書き直しました.独立してここに記事として置きます.(95/11/30)

ここでは主にOpen Transport関係のことを重点的に触れたいと思います.Open Transport以外にシリアルポートの問題,SpeedDoubler特にSpeedCopyの問題,メモリの交換,システムインストール手順,コンフリクトなどについても触れています.

なお,本記事中でも紹介していますが次のページは本記事が参照させてもらったソースです.皆さんもご参照下さい.
PCI-Macintoshの最新情報とトラブル対処法 =Power Macintosh Resource
PCI-Macintoshのコンフリクト情報=The Complete Conflict Compendium





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要約
Open Transportの問題
SpeedDoublerの問題
シリアルポートの問題
Macintoshの購入をお考えの方へ
システムインストール手順
メモリの交換
コンフリクト
初期7200/90のEtherポート不良製造ロット
未解決の問題


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Open Transport1.1ベータ版のリリースが開始されました.現在の所トラブルは解消されていません.本文中のバグフィックスバージョンの稿で触れています.(1/13)

要約

●9500,8500,7500,7200用の漢字Talk7.5.2にはOpen Transportとシリアルドライバーに欠陥がある
●Open Transportのバグは様々な障害を(ネットワーク関係以外にまで)拡大して起こすことがある
●TCP/IPコントロールパネル書類をMacTCP2.0.6に入れ替える
●機能拡張からOpen Tpt Internet LibraryとOpenTptInternetLibを外す
7.5.2 Printing Update 1.1Ethernet (Built-In)1.0.2をインストールする.
●ハードディスクドライバを最新のものにする
●上記4点を行った上でのOpen Transportの障害はPRAMクリアで対処できる



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Open Transportの問題

●発生する症状

デザイン室ではこれまでにOpen Transportが原因と思われるトラブルに数多く遭遇しています.

A Network関係のApplicationの異常

Eudraが相手に届いていない,Fetchでログインできない,できてもputできない,telnetも同じ,Netscapeでフリーズする,とほとんど全てのインターネット関係.

B Apple Talk切り替えエラー

Apple Talk切り替え時にフリーズしたり,Type3Errorが出るなどして切り替えることができない.

C Finder上のエラー

Finder上での操作中にType11Error,No FPU Errorが多発する.

D システム起動終了時のエラー

Macintosh起ち上げ,終了時にフリーズしたり,Type11Error,No FPU Errorが出て,起動,終了できない.他にエラーダイアログのフレームのみ現れる,フレームがブルブルふるえる,PowerTalkマネージャCHKエラーが表示されるなどの見かけがあってさながら普段見ることのできないエラーのオンパレードになる.
shiftキーで起ち上げると起動できる.
CD-ROMの漢字Talkシステムソフトウェアから起ち上げると爆弾が出る.(何と!)

E ハードディスクがマウントできない, SCSI異常が起きる

起動できない.起動Diskが見つからないというフロッピーディスクに?が点滅するアイコンが表示される.SCSI上に見つからない(SCSIProbeに認識されない).Nortonで異常(カタログBツリーエラーなど)を報告される.Nortonで修復不能,再フォーマットが必要と出る.「このディスクはMacintoshでは読めません,フォーマットしますか?」が出る.異常があるのでフォーマットしますかと各フォーマッタが聞いてくる.各フォーマッタで認識不能となる.どんな方法でも認識できない.(後述の問題発生時の対処法を除く)

以上のように,その多くは深刻な問題を引き起こします.D,Eは仕事に入ることさえできません.また,フォーマッタやDisk修復プログラムの言うとおりフォーマットすればデータは失われるわけです.(漢字Talk7.5.2ではここで書かれた問題解決が十分できていない状況下でNortonは大変危険な道具になってしまいます.Nortonに解決させることは効果がないどころか,問題を回復不能にすることがあります)
これらは,アプリケーションが悪いわけでもハードディスクが悪いのでも,はたまたPowerTalkマネージャが悪いのでもありません.Open Transport(とPRAM)が悪いのです.また,直す方法があります.(一部Speed Doublerが原因である可能性があります)
これらのエラーではshiftキーで起ち上げると出なくなるものがあります.7.5.1までのシステムではエラーが発生した時に機能拡張などのコンフリクトを疑い,この方法を試すことが常識的でした.7.5.2でも多くの人がそうされていると思います.この方法で起ち上がることから何らかの機能拡張,コントロールパネル,初期設定,Fontなどのトラブルと考えると思います.しかし,そうではありません.問題の所在はOpen TransportとPRAMにあります.このshiftキーで起ち上がるケースと同様,問題の究明を難しくしている現象がもう一つあります.それは,同一環境にあっても問題が起きたり起きなかったりと一見個体差があるように見えることです.

●問題発生の経路(推測)

問題は次の3つの発生の仕方をするのではないかと推測されます.

1.単にOpen Transportの異常からNetwork関係のアプリケーションに異常が発生する.(上記Aのケース)
2.Open Transportの異常が原因で,ネットワーク切り替え時などでPRAMとOpen Transportが不整合な状態ができる.(上記Bのケース)
3.PRAM書き換えで異常が発生し,PRAMの他の内容にまで影響が及んでしまう.つまり,PRAMの内容が壊れる.(上記B以下のケース)

2の状態を推測することでshiftキーで機能拡張を除くと起ち上がることの説明が付きます.3の状態を推測することでハードディスクやSCSI関連の深刻な(と一見みなされる)異常も説明できます.また,問題が起きたり起きなかったりするマシンが同一環境内に存在することはこれら3つの発生の仕方がマシン毎の使用のされ方によって2と3の症状が生起したりしないことで説明がつくと思います.

●問題発生時の対処

Systemインストール時に適切にインストールしSystemを構築していることが条件です.(方法はシステムインストール手順)その上で上記の問題が発生したときには次の方法を採って下さい.



再起動,リセットなどして,PRAMクリア(とあわせてDesktop再構築)を行う.



これで上記のトラブルはデザイン室では解決できています.
たまに,本稿の最後の未解決の問題で触れたSystem(スーツケース)が壊れている場合があります.PRAMクリアで直らない場合はSystem(スーツケース)をバックアップのものに変えて再起動PRAMクリアをしてみて下さい.
なお,PRAMクリア後の再設定を要する事項は次の通り.

・起動ディスク
・メモリ(仮想記憶は使用しないで下さい)
・マウス
・ネットワーク
・サウンドまたはサウンド&ディスプレイ
・一般設定
・モニタ
・セレクタまたはChooser
・Video カード,アクセラレータの設定
など



警告
PRAMクリアはVideoカード,アクセラレータの設定が元に戻るので,サードパーティのVideoカード,アクセラレータを使用している方は再設定の方法が分からない場合はMacintoshを使用することさえできなくなる可能性があります.




●問題の予防

Systemのバグですから完全な予防はありません.Open Transport1.1が出るまではPCI-Macを使わないか,スタンドアローンで使用するというのが消極的ですがベストの選択です.使わざるをえない場合は次のようにすれば問題の発生の可能性を少なくできると思います.

・ここに書かれた(システムインストール手順)に従ってSystemインストール時に適切にインストールしSystemを構築していること
・SpeedDoublerなどの機能拡張他でSystemをカスタマイズしない
・Network関係はなるべく設定を変えない
・SCSI機器は正しくセオリー通り使用する
・PRAMに関係する設定をなるべく変えない
・Open Transport,Networkの設定の異なるシステムを切り替えて使用しない
システムの切り替え(起動ディスクの変更)はできるだけさけて下さい.やむを得ず切り替えるときは必ずPRAMクリアを行って下さい
・仮想記憶を使用しない

●バグフィックスバージョン

Open Transportは1.1までは完全には直らないということです.1.07や1.08では修復しきれていません.1.1は早ければ今年中に出るという話もあります.なお,Apple JapanはOpenTransportなどの問題があって新しいCD-ROMを登録ユーザーに送付するそうですがOpenTransportは1.0.7だそうです.1.0.8でも問題は解決していないのですからこの新版も使ってはいけません.(何という無駄.送付は9500ユーザーには実施されているようですが8500.7500,7200ユーザーに実施されているかどうかは未確認.ここにある8500以下には何の連絡もありません)
Open Transport1.0.8は使用してみるとNetworkを使用するアプリケーションや作業で明らかに速いという印象を受けました.もしもバグがフィックスされたものが出たならば使用する価値があると思います.

MacWEEKによればOpen Transport1.1は今月中にリリースされる.ただし米国での話なので日本でどうなるかは不明(1/9)

Open Transport 1.1ベータ版の配布が始まりました.(1/13)

1.1は漢字Talkにインストールできます.デザイン室で試用した限りでは全てのバグが解消されたとは残念ながらいえません.まだベータ版ですし,漢字Talk用ではないためさらなる改良があることを期待します.これまで,Open Transport1.0.6で問題が出ていたNetscapeでのトラブルは明らかに改善されています.しかし,一方でFetch(3.0.1b1)の異常,ニュースリーダー(NewsAgent1.482)で原因不明のエラー(-132,-113など)が発生します.(PPP接続での問題もあるようです)
従来機種での動作はするようですがやはり問題が出ます.(純正Finder Updateと問題を起こすことがある)
なお,試用される場合は次の点に注意すればいいとおもいます.

・インストール前にシステムフォルダのバックアップを取っておく.
(インストーラはSystemスーツケースを書き換えますので注意してください.バックアップがなければ,現在のシステムフォルダを書き換えてOpen Transport1.1の異常が発生してももとに戻すことができずシステム再インストールになります)
・インストールする前に全てのOpen Transport,MacTCPなど関連ファイルを外し,さらに念のため,インストーラでCustom Removeを実行する.初期設定中のprefやセレクタも外すことを忘れないように.
インストール後に場合によっては爆弾が出ますが,PRAMクリアで対処します.

インストールされるファイル類
1.Chooser(7.5.4b11c3)
2.AppleTalk(1.1b11c3,ネットワークは削除される)
3.TCP/IP(1.1b11c3,MacTCPは削除される)
4.Open Tpt AppleTalk Library(1.1b11c3)
5.Open Tpt Internet Library(1.1b11c3)
6.Open Transport Library(1.1b11c3)
7.OpenTptAppleTalkLib(1.1b11c3)
8.OpenTptInternetLib(1.1b11c3)
9.OpenTransportLib(1.1b11c3)
10.Shared Library Manager(2.0)
11.Shared Library Manager PPC(2.0)
12.Menu Manager Update(1.0)
13.MacTCP DNR
14.AINI,INIT,versの各システムリソース
(1/15)

Open Transport1.1ファイナルバージョンはSystem7.5.3にバンドルされる形でリリースされる可能性がある.それまではベータ版しか入手できない.System7.5.3は3月という報道.詳しくは本Macintoshニュースを参照.(1/27)


Open Transport1.1b16での問題

・以下のPerformaまたはPower Macintoshの機種でインストールできなかったり動作しなかったりする.
   5200,5300,6200,6300,IIvi

・新型PBでの問題(2300,5300,190,)

・PB540でのAssistant ToolBoxとの問題(AppleTalkの設定が元に戻る)

・仮想記憶とMacPPPまたはFreePPPの問題

・Duoのスクリーンセーバの問題

・LaserWriter Bridge,LocalTalk Bridge v.2.0.1またはそれ以前のバージョンとの非互換性

・Apple IP Gateway,AppleTalk Internet Router との非互換性

他各種アプリケーションでの問題など
(2/26.MacSense)

Open Transport J1-1.1の配布が開始された.
アップルジャパンFTPサーバ
ただし,PCIMacのみにしか対応していない.
少なくともここデザイン室で起きていた問題のいくつかは解消されているが,新たな問題がある.
Fetch2.0b2で大量のファイル転送ができない.(Fetch自身の問題の可能性かどうかは不明であるがOpen Transport 1.1b16では起きなかった)
PowerTalkがおかしくなる.これはメモリ管理とPRAMとの関連から発生するように思える.(PRAMクリアで直るが頻繁に起きる)
これらのことから,デザイン室ではOpen Transport 1.1b16の方がよいと判断してもとに戻した.
Open Transport J1-1.1と1.1b16は互換がない.そのため,1.1b16をインストールしたシステムにはJ1-1.1は上書きできないことがある.J1-1.1をインストールする際は上記1.1b16のインストール法の注意を読んでバックアップをとってから行い,インストールできない場合は漢字TalkのCD-ROMからインストールしたシステムを新規インストールするなどしてそのシステムに対して行う.(3/3)

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SpeedDoubler1.0.1の問題

Speed EmulatorはSilverlining5.6以下で起動時にクラッシュを起こすそうです.また,AppleTalk切り替え時のエラーはSpeed Emulatorが原因の疑いがあります.
デザイン室ではOpen Transport1.0.8とSpeed Emulatorがぶつかることを確認しています.
Speed AccessはカタログBツリーの異常を引き起こすことが発売元でも確認されています.
特に問題を起こすのはSpeed Copyです.
SpeedCopyの問題点.
・Apple PowerPC Cardではクラッシュ,ハング
・Netwareでゴミ箱を空にできない
・7200で時々働かない
・7200/90でスローダウンしてフリーズする
このSpeedCopyはコピースピードが速くなるかどうか一応確かめた方がよいと思います.デザイン室では遅くなるとの報告もあります.
ここで書いた以外の問題はThe Complete Conflict Compendiumを参照下さい.
Speed Doublerは7.5.1までのPowerMacintoshには大変有益なプログラムだと思いますが,PCI-Macには現在バグフィックスを進めているSpeed Doubler新バージョンが出るまでは1.0.2も含めてできれば使わない方がいいでしょう.なお,RAMDoublerの使用はPCI-Macに限らずお控え下さい.

ConnectixはバグフィックスバージョンのSpeed Doubler 1.1を公表しました.残念ながら以下のパッチは日本で発売された1.0.1とアップデートした1.0.2には当てられないようです.(この項12/13追加)
http://www.connectix.com/sdupdate.html
ftp://mirrors.aol.com/pub/info-mac/cfg/speed-doubler-11-updt.hqx

日本版用が出ました.

SpeedDoubler Updater1.1J(1/5)

デザイン室では1.1でもAppleTalk切り替え時にエラーを発生させる場合があります.SpeedDoublerの使用にはまだ問題があります.(1/6)



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シリアルポートの問題

PPP接続ができない,ネットワークプリントができない.できても大変遅い,途中で終了してしまう(特に大きいfile),Hewlett-PackardのDeskWriterが動かない,など
プリント関係は7.5.2 Printing Update 1.1やHPのDeskWriter 6.0.3などのドライバーで改善されたという話です.デザイン室ではPCI-Macからのシリアル接続は行っていないためにシリアルの問題と7.5.2 Printing Update 1.1については試していません.
7.5.2 Printing Update 1.1はOpen Transport1.0.7で作動するものがありますのでOpen Transportは1.0.7以上にここで書かれた手順でアップデートする必要があります.

(Download Apple's 7.5.2 Printing Update 1.1)

デザイン室ではシリアルに関する問題は確かめていません.特にppp接続でお悩みの方はTidBITS-306 を参照して下さい.(この項12/13)


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Macintoshの購入をお考えの方へ

●初心者の方,音楽関係

初めてコンピュータを購入しようとして,周りにアドバイスしてくれたりセットアップしてくれたりする方がいない場合は新型PCI-Macは漢字Talk7.5.3がバンドルされるまで見送った方がいいのではないでしょうか.
学内でTextデータ主体の方はPerforma588か630をお薦めしています.これらのモデルは大変安定していて,ここに書かれた問題とは関係がありません.ネットワークを利用するためにはEther用のカードが必要になります.メモリは24M程度以上にはしておいたほうがいいでしょう.安価なモデルですので買い換えも容易です.次に買い換えるときにはここに書かれているような上位モデルの問題は解決していることでしょう.
音楽以外の利用では603というプロセッサを搭載したモデル(6200,5210,5220など)は動作速度の点でお薦めできません.はっきり言って603搭載機は失敗作です.
音楽の利用で購入される方はその用途にマシンパワーは余り必要ではありませんので一体型で取り扱いのしやすいことやデザインを判断の決め手にされてよろしいかと思います.588やこれらには603,603e搭載機でもあまり問題ありません.

●ここに書かれている内容が理解できる方,グラフィック,DTPユーザー

今,Macintoshを買いたい.買わなければならないという方はこれらPCI-Macの問題をお聞きになられてお悩みでしょう.ここでも使わないことがベストと書きました.しかし,今選択に迫られている人には旧型より新型購入をあえてお勧めします.
もちろん用途によってケース毎に一概に言えることではありませんが,SpeedDoublerを使用しない場合は明らかに新型と旧型では速度が,それもかなり異なります.クロック周波数で同じだからとか考えてはいけません.(SpeedDoublerを使用することが前提であれば旧型と新型をクロック周波数で速度比較することができます.)
また,新型では基本的なアーキテクチャの変化があり,しかもこれからは(SCSI関連の変化までは)大きく変化しないことから新型にすべきです.用途などから割り切って旧型を購入される方でなければ必ず後悔すると思います.
問題はOPTとシリアルの不調ですが,この事から,さも新型Macintosh全ての性能が劣っているかのような最近のネットワーク上での評価には賛成できません.ここに書かれているような方法では使用できます.また,バグはすぐにとはいかないかも知れませんが解消されるはずです.OPTそのものは大変進んだ考え方でしかも速度が速いという印象を持ちました.また,IPアドレスを再起動せずに書き換えられるなどという話も聞きます.OPTはOpenDocや大変興味期待のふくらむCyberDogの不可欠の部分です.現在のところ旧型がこの機能が実用になる程度に使えるか保証はありません.仮にバグフィックスが遅くなって来年第2四半期初頭にずれ込んだとしてもそこで得られる恩恵は少なくありません.
私がここで指導している学生の7500はノントラブルです.私もここで書かれたノウハウを獲得してからは安心して新型PCI-Macを使用し,その速さを堪能しています.どうかお迷いにならないように.
なお,購入をお考えの方にはこのページの最初の方にあるMacintosh Newsへのリンクから行ったページのTOPICS「新型PCI-Macはどれがいいんでしょう」とNewsにある値下げの情報が参考になるかも知れません.(この部分12/7に追加)


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システムインストール手順

ここまで触れたOpen Transportの問題はスタンドアローンでシリアルポート切り替えも含んだNetwork機能を全く使用せず買ったままの状態で印刷もしない場合,顕在化しない可能性があります.そのような使用法であれば購入したままで使用できます.
しかし,Network機能をSystem7.5.1同様に使用したい場合はSystem7.5.2の使用は問題があります.もし,System7.5.1時代のMacintoshが続けて使用できるのであればNetworkはそちらを利用した方がよいと思います.この状態はOpen Transport1.1が出るか,出るといわれている System 7.5.3が登場するまでは続くでしょう.しかし,今どうしてもPCI-MacでNetwork機能を利用したい場合は以下に書く方法でSystem構成を変更するか,システムを再インストールし,Systemを再構築することで何とか利用できます.ただし,使用形態によっては頻繁にPRAMクリアをすることになると覚悟して下さい.

最初に要点を記します.

・ハードディスクドライバがSystem7.5.2に対応していることを確認する.もし,そうでなければ,アップデートするか取り替える.
・Systemの新規インストールをPRAMクリア後に行う.
・シリアルポートの異常を改善したい,また,Fetchを使用しないなど,インターネット利用がWWWのブラウジングとメールだけならOpen Transport1.0.8にアップデートする.(この方法はNetwork利用では十分ではありません)
・もし,7.5.1時代の環境に近い環境でUNIXサーバとやりとりする必要があるならばOpen TransportのTCP/IPをMacTCP2.0.6に取り替える.
・上記2つの方法を同時に使いたい場合はOpen Transport1.08とMacTCP2.0.6を併用する.(この方法はNetwork利用では十分ではありません)

●ハードディスクのセットアップ

新規に購入したPCI-Macをまだ使用していない場合で,ハードディスクの設定を変えずにそのまま使用する場合はハードディスクのセッティングは必要ありません.これまで使用していたハードディスクを使用する場合やすでに問題を起こしてしまった場合はハードディスクに関して行わなければならないことがあります.

A.PCI-Macに最初から内蔵されているハードディスクで問題が出ている場合

仮想記憶を切り,Macintosh Easy Open,アップルメニューオプションを外し,PRAMクリアを行い,Desktop再構築する.

B.PCI-Macに内蔵されていたもの以外を使用する場合

ドライバの再インストールを行う

現在使用できると考えられているドライバで主なものは以下.

・純正のドライブ設定
(漢字Talk7.5.2,System7.5.2についてくるもの.7.5.1までのものは使用できません.なお,Drive Setupはftp://ftp.support.apple.com/pub/apple_sw_updates/US/mac/utils/Drive_Setup_1.0.3.hqxにあります
・Silverlining5.6.1か5.6.3以上
(5.6までは使用してはいけません)
・HDT1.8以上
これまで使用していた全てのHDTは使用できません.現在市販のハードディスクに付属するHDTも全て1.8ではありません.(最近になって広告が出ました.1.8が公表されてから発表されるハードディスクに付属のHDTは1.8以上の可能性があります.)
・Drive7 3.5a
3.5まではマウントしないそうです.これも市販の全てのものが使用できません.

これらの中で市販されていたものはSilverliningだけです.ただし,5.6.3はアップデータをNetworkを通じて入手しなければなりません.純正のドライブ設定は市販のハードディスクの多くをそのままでは扱えません.HDTとDrive7についてはアップデータを入手する必要があります.
これら7.5.2対応のフォーマッタを入手できても,ドライバインストールのみを行うことのできないプログラムや他社製ドライバでフォーマットしたハードディスクはフォーマットしないとドライバインストールしないものなど個別のケース毎にフォーマットの必要なケースが出てきます.その場合,フォーマットできるならばバックアップを取った上で実行されるとよいでしょう.
ATMプロテクトフォント使用の場合はフォーマットしてしまうとバックアップからはコピーしても正常に表示されなくなり,再インストールも拒否されてできませんので注意して下さい.ATMプロテクトフォントの場合はSystemのパーティションを作り直しても,リサイズをしても同様の結果になりますから気をつけましょう.

●Systemの新規インストール

購入したままのPCI-Macをそのまま何も変更せずに使用している場合以外で,起動ディスクとして使用する場合,新規インストールします.この後,Open Transport1.0.8を使用する場合と,MacTCPを使用する場合でケースが分かれますので,このSystemの新規インストールを読み終わった後,各々のケースにお進み下さい.
新たに購入したハードディスクやこれまで起動ディスクとして使用してなかったハードディスク(ブートブロックのないハードディスク.起動システムフォルダのないハードディスク.システムは何らかの形で書き込まれていることがあります.必ず"System"と"Finder"で検索し,システムフォルダの無いことを確認して下さい)は2からお読み下さい.この場合新規に書き込む空き容量がない場合は1からお読み下さい.
購入したままのPCI-Macをそのまま何も変更せずに使用している場合は4からお読み下さい.ただし,Macintosh Easy Openをすでにお使いの場合でのトラブル発生はここでの範囲ではありません.ご自分で解決して下さい.
既にSystem7.5.1以前の起動ディスクとして使用していたハードディスクにインストールする場合,1からお読み下さい.

1.既存のシステムフォルダをバックアップをとってゴミ箱に捨てて消去するか,無効にする.
(グラフィックユースのようにシステムフォルダ内にフォントなど大きいデータがある場合やフォルダが数多くある場合はバックアップや後から戻すのに時間がかかりますのでそれらフォルダは残しておいて下さって結構です)
(無効にする方法はシステムフォルダからSystemスーツケースかFinderを外し,システムフォルダからFinderアイコンが無くなることを確認する.この方法はSystemスーツケースかFinderを移動した先にFinderかSystemスーツケースがあるとそれが起動システムフォルダになることがあるので注意する.SystemSwitcherの使用はお控え下さい.使用環境によってはトラブルが発生します.SystemSwitcher使用でのトラブルはご自分で解決して下さい.)

2.システム終了し,漢字Talk7.5.2のCD-ROMを挿入し,PRAMクリアを行って起動する.

3.漢字Talk 7.5.2 インストールを起動し新規インストールする.(command+shift+Kを押して出てくるダイアログで「新規にシステムフォルダをインストールする」を指定し,簡易インストールかカスタマイズを行う)

4.PowerTalkをインストールする.(このとても便利な機能の必要のない方はしなくてかまいません)これらインストール後の再起動はまだしないで下さい.

5.コントロールパネルから次のファイルを外す.
・Macintosh Easy Open
・アップルメニューオプション
グラフィック/DTPユーザーはもちろんフォルダごとTrueTypeと関連Fileも全て外し,代わりに7.1までのOsakaの入ったフォントフォルダを入れましょう.

6.7.5.2 Printing Update 1.1Ethernet (Built-In)1.0.2をインストールする.

7.ここでOpen Transport1.08を使用する場合とMacTCPを使用する場合に分かれます.それぞれの項目に進んで下さい.

●Open Transport1.08を使用する場合

事前にOT 1.0.8 Net InstallをApple USAから入手しておく必要があります.また,新規インストールと同時に入れた方が確実です.
PRAMクリアして起動した状態か,上記新規インストールのMacintosh Easy Openなどバグのあるシステム関連ファイルを外したステップの状態にして下さい.また,MacTCPと関連ファイルは削除しておいて下さい.

1.OT 1.0.8 Net InstallのInstallerを起動する

2.Continueを選択

3.新規インストール中の方はEasy Installでインストールしてかまいません.それ以外はCostum Removeで既に入っているOpen Transport関係ファイルを削除してからEasy Installでインストール

4.再起動後PRAMクリアを行い,shiftキーを押したまま起動しデスクトップ再構築を行う.(CD-ROMのイジェクトボタンを再起動時に押し続け排出する.CD-ROMイジェクトとPRAMクリアを同時に行うのが大変な場合はいったんCD-ROMをイジェクトするためだけに起ち上げ,再起動しPRAMクリアを行う)このshiftキーによるデスクトップ再構築は文 字化けするので最初に出てくるダイアログのデフォルトのボタンをクリックすればよい.

5.デスクトップ再構築終了後アイコンを頼りにアップルメニューからセレクタを探して外す.これ以降のセレクタの作業はChooserになる.

6.メニューの右端のプルダウンメニューの下から3番目の項目を選択して再起動する.

7.TCP/IPを設定し再起動する.

●MacTCPを使用する場合

事前にMacTCP2.0.6を入手しておく必要があります.また,新規インストールと同時に入れた方が確実です.
PRAMクリアして起動した状態か,上記新規インストールのMacintosh Easy Openなどバグのあるシステム関連ファイルを外したステップの状態にして下さい.

1.コントロールパネルからTCP/IPを外しMacTCP2.0.6を入れる.MacTCPの初期設定はそのまま以前のものが使用できるので初期設定ファイルに入れる.

2.機能拡張からOpen Tpt Internet LibraryとOpenTptInternetLibを外す.

3.再起動後PRAMクリアを行い,shiftキーを押したまま起動しデスクトップ再構築を行う.(CD-ROMのイジェクトボタンを再起動時に押し続け排出する.CD-ROMイジェクトとPRAMクリアを同時に行うのが大変な場合はいったんCD-ROMをイジェクトするためだけに起ち上げ,再起動しPRAMクリアを行うこのshiftキーによるデスクトップ再構築は文字化けするので最初に出てくるダイアログのデフォルトのボタンをクリックすればよい.
デスクトップ再構築終了後メニューの右端のプルダウンメニューの下から3番目の項目を選択して再起動する.

4.MacTCPを開き設定するか設定を確認する.

2の機能拡張内のOpen Transport関連ファイルの除去に関しては除去しなくても問題が発生するケースがデザイン室では見つかりません.除去した場合での問題発生もないことから除去する方が適当と判断しました.詳しくはPower Macintosh Resourceを参照下さい.

●これらの作業後Network関連のアプリケーションの動作確認をお願いします.仮想記憶が切られていることを確認して下さい.もし,動作不良があったりする場合はPRAMクリアをもう一度行って下さい.
System構築の際に7.5.2 Printing Update 1.1のファイルをインストールすればいいでしょう.また,次のファイルは新しいバージョンが出ていますので取り替えた方が賢明です.
・QuickTimeとQuickTime PowerPlug
・Apple CD-ROM
QuickTime2.1はバグが修正されたと同時に動作速度が速くなっていますのでできるだけ取り替えて下さい.2.0はデザイン室ではバグのため使用できませんでした.

●Open Transport1.08または1.0.7とMacTCP2.0.6を併用する

ここで書かれた二つの方法を併用することが考えられます.Networkを利用しかつシリアルポートの問題から7.5.2 Printing Update 1.1を使用する場合はこの方法をとらざるを得ません.(ただし,7.5.2 Printing Update 1.1はOPT1.0.6で十分シリアルの問題を解決できているという話もあります)手順としてはOpen Transport1.08または1.0.7をインストールしてからMacTCP2.0.6に変更します.1.0.8とMacTCP2.0.6の併用では Power Talkに問題が起こる他,Netscapeや一般のアプリケーションの動作も不安定になることをデザイン室では確認していますので,お勧めすることはできません.1.0.7との併用はデザイン室ではまだ試していませんので何とも言えません.


●使用上の注意

複数のシステムを切り替えて使う場合(Diskの異なる場合を含め),Open Transport,Networkの設定の異なるシステムであれば簡単にPRAMの内容は壊れるようです.Open Transport,Networkの設定の異なるシステムを切り替えて使用しないようにして下さい.



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メモリの交換

初期のサードパーティのメモリ(DIMM)は不良品があったらしい.
9500のメモリバンク関係と他にも何か読んだのですが忘れてしまいました.(QuarkXPressが起動しないそうです)
7200以外ではメモリバンクはA6とB6というように高い番号から入れていくとMacWorldには書いていますが,Appleでの工場設定では低い番号に最初からささっているので,どちらがいいんでしょう.デザイン室では低い番号から入れました.(MacWEEK誌によるとAppleは最初低い番号からと言っていたが,最近になって代理店などに高い番号から使用するよう指導している.MacWEEKは同時にこれらの違いは判らないとも述べている.12/13)
7200以外ではメモリインターリーブ機能を生かすため同じ容量のメモリ1枚を差すより,合計で同じ容量になるメモリ2枚を使用した方がよいと言われています.どのくらい良くなるかというと5-10パーセント(MacWorld Dec,jan)というのと10-15パーセント(MacPower8月号P100)というのとあってどっちが正しいのか判りませんでした.7200/90と7500/100の同一処理の比較では20-30パーセントの差がありましたのでクロック周波数の差を差し引いても後者の数字が正しいのではないかと思いますが,処理にもよるかも知れません.(2枚をペアでAとBのバンクの同じ番号にさすこと,スロットはやや深いのでしっかり差し込んで下さい.増設後のこのMacintoshについてで増えていない場合はしっかり差し込まれていないことを疑って下さい)

・メモリの交換時のマザーボードの取り外し
7200,7500は7100と比べて大変簡単になりました.説明は必要無いかと思いますが,交換後の本体カバーの組み付け時にプラスチックの補強ブロックが出っ張っていますから(観音開きしたときに自動的にセットされてしまう.)それを納めて壊さないようにして下さい.MacWEEKに壊したとかいう記事があったような気がします.

8500のマザーボードの取り外し(800シリーズと比較して)
8500は800シリーズより一部面倒になっています.(一部改善された点もあります)ケーブル類が上部にまとめられたように見えて,実は一カ所内側に残っている.注意して下さい.マザーボードはこれまでのやり方でスライドさせて取り外そうとしてもできませんが,それは604ドーターボードがつっかえているからです.ドーターボードをひっこ抜きましょう.
組み付けるときにはドーターボードをよほどしっかり入れないといけません.マザーボードが割れるかと思うくらいしっかり差し込みましょう.



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コンフリクト

問題の起きるソフト他
Anarchie(FTP中にクラッシュ)ほとんどのハードディスクドライバ(Drive7やHDTの従来バージョンは特に危険です),Now Utilities5.0.1, CopyDoubler2.0.5, AutoDoubler 2.0.5, RAM Doubler1.5.2, Disk ExpressII, Photoshop3.0.3, FreeHand5, SAM4, Microsoft Office 4.2.1, TechTool, Xodus 5.2.1, Canvas 3.5.3, Photomatic 2.0,米国製のいくつかのキーボード, TelePort Platinum modem

以上に関してはhttp://www.manual.com/conflicts/MacWorldを参照することをお薦めします.また,ここで問題があるとされたもののほとんどは7.5.2対応版が出ています.



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初期7200/90のEtherポート不良製造ロット

米国の7200/90の初期に出荷された製造番号xx543かそれ以下のもののEtherポートに不良があるそうです.(デザイン室の7200の製造番号から考えて日本国内では関係がないのではないかと考えて,この問題についてはここには記載していませんでしたが,この記事を学外から参照される人の増加と米国からの参照に伴い記載しました.)(12/13)

この問題については上記を訂正しなければなりません.国内に多数出回っているようです.(1/16)

商品外箱に貼ってあるシリアルナンバーの記載されているラベルの右下角に『+』が ついているものは上記該当ナンバーでも対策されたロジックボードが装着されているとのこと.



Point


未解決の問題

まだ,以下の現象が解明または解決できていません.ただし,これらの問題は漢字Talk7.5.2固有の問題ではなく,7.5.1,また7.5からの問題で引き続き起きている現象のためOPTとは関係ないと思われます.
1.起動ディスクがSCSI ID=0の内蔵ハードディスクになってしまう.
デザイン室ではコントロールパネルで起動ディスクを指定しないで,SCSI ID番号順に起動するようにしています.(この方法の方がいろいろとメリットがあると思っています)ところが,いったんSCSI ID=0のハードディスクから起動させるとそれ以降番号の高いIDの起動可能なディスクを接続してもそこからは起動しません.しかたなくキーボードショートカットによる内蔵ハードディスクの無視をしています.PRAMクリアで正常になることもあるのですが,直らない場合もあります.
デザイン室ではアプリケーションなどをインストールする場合は最低限のインストール用システムを用意していてそこから起動させてインストールします.これはシステムを勝手に書き換える(Microsoftなどの)インストーラからの防護とインストールされたファイルを把握し易いこと,正常なインストールをさせるためといった理由からです.ところが,この時にここで書いたような障害にあっています.これは漢字Talk7.5.1でも起きます.SCSI機器を接続して起きることなのでSCSI関係のエラーなのかも知れません.
(なお,起動ディスクを変える度にPRAMクリアを実行する必要があることはこれまで書いたとおりです.)

2.システムエラーによるシステムの異常
システムエラーが起き,リセットなどで再起動すると次のような障害が出,システムのスーツケースをバックアップのものに取り替えると直る.
障害は,アプリケーションからファイルを開くときに異常に時間がかかるというもの.デザイン室でよく使用するアプリケーションのIllustratorやPhotoshopで新規にファイルを作成すると通常はほとんど瞬時に開くのが,数十秒から1分以上かかる.これはシステム7.1からの問題で未だ原因が不明.ただし,システム7.5まではまれに起きた程度であったが,7.5.2では頻度が高くなった.システムエラーが起きると最初にOPT関係に異常が起きていないか確認し,つぎにPhotoshopで新規ファイルを作成しシステムが壊れていないか確認しています.この問題を指摘した記事などにも全くお目にかからない.システムエラーなのだからシステムが壊れるのは当然といわれればその通りなのですが.(この稿12/12追加)



Point



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