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PRAM の内容とクリア
PRAM とは
Parameter RAM .コンピュータのメモリの一種であり,バックアップバッテリによってコンピュータ終了時でも記憶内容が消去されない.ユーザの設定した日付,時間,モニタ解像度などの設定を保持する.
コンピュータは一般に CPU とメモリ,電源と周辺入出力機からなる.メモリは ROM と RAM がよく知られている. RAM は電源をオフにすると蓄えられたデータを維持できずフラッシュされる. ROM は電源がオフになっていても書き込まれた内容は蓄えられている.コンピュータに電源が投入されると ROM から起動プロセスが開始され, RAM にハードディスクなどのシステムソフトウェアが読み込まれ,実行されていく.
ところが, ROM は電源オフ時でもメモリ内容が消えない一方,新たに書き込むことができない.そのため,起動に必要な起動ディスク,メモリの設定などの情報を保持し,かつそれらの設定を変更できるメモリが別に必要となる.これらのメモリのうちの一種が PRAM である. PRAM はバックアップバッテリから電源が供給され, Macintosh 電源オフ時でも記憶内容が保たれている.バックアップバッテリが消耗すると PRAM の内容は保てない.
PRAM クリアのいくつかの方法
PRAM の内容はバックアップバッテリで保持されているが,何らかの理由で内容をリセットする必要が起きる.例えば PRAM 内容が狂っているとか周辺機器を取り替えたなどの場合に行う.このような場合,ユーザの行った設定を消去し,初期設定(工場出荷時の設定)にいったん戻す.この作業を PRAM クリアあるいはリセットという. PRAM を消去した後にはコントロールパネルのいくつかを再設定しなければならない.
PRAM クリアには次のようなバリエーションがある.1. Macintosh を 起動しながら, Command+Option+P+R キーを押す.
- 1. Macintosh を 起動しながら,Command+Option+P+R キーを押す.
2・ 電源ケーブルを抜いてバックアップバッテリーを外す.
3.マザーボード上のリセットスイッチを押す.
4.PowerManager リセットボタンの併用.( PowerBook 一部機種)
5.Shift + Command + Option キーを押しながら, アップルメニューからコントロールパネルデスクアクセサリを選択する.(一部機種を除くSystem 5.x から 6.0.x )
6.ユーティリティソフトウェアを使用しクリアする.
2・ 電源ケーブルを抜いてバックアップバッテリーを外す.
- Macintosh を 起動しながら,Command+Option+P+R キーを押す.起動音がすると同時にキーを押し始め(ハピーマックが出る前), Macintosh が再び再起動するまでキーを押し続ける. System 7 以降で可能.
これを何回繰り返すかは 1 回から 4 回まで諸説あってはっきりしない.機種によって異なるという説明まである.私はどうも多くの場合 1 回でいいのではないかと思えるのだが,実際何度行なわなければならないのか知らない. PRAM クリアで起動音の大きさもクリアされるので,繰り返したときの起動音がそれまでと変わっていれば PRAM クリアされたことになることからそれを目安にすることができる.
このキーコンビネーションの方法で注意すべきことはいつのことやら忘れたのであるが,いつの日からかこの PRAM クリアは不完全になったということである.この方法では最低 PCI Macintosh 以降では PRAM に蓄えられた内容のうちの全てがクリアされるわけではない. PRAM は 256K あるのだが, 128K の部分のみがクリアされると言われている.例えば日付と時間の設定はクリアされない.以前はクリアされていた内容である.
このことは決して悪いことではない.日付や時間を再設定するのは面倒だ.他の内容がクリアされてもそれを保っておけるのはいい方法のように私には思える.肝要なのはこの方法と他の方法の区別をつけることである.
また,コールドスタートとウォームスタートでクリアされる内容に差があることにも注意すべきである.正確にはPRAM とは言えないのであるが,従来 PRAM に保持されていたディスプレイ情報は NVRAM に蓄えられるように一部機種からはなっている.それをクリアするかしないかの差が出てくる.
PowerBook 5300,190, 1400 ではこの方法をとってはならない.3.マザーボード上のリセットスイッチを押す.
- 確実,簡潔,完全な方法である.バックアップバッテリを取り外してから再度取り付ける.全ての PRAM の内容が初期化される.
Macintosh Plus ではこの方法による以外に PRAM クリアできない.4.PowerManager リセットボタンの併用.
- 全ての PRAM の内容が初期化される.バックアップバッテリを一時取り外すのと同じ結果となる.メモリを装着した場合にマザーボードを露出するので,このリセットスイッチも使い易くなる.バッテリを外したり,リセットスイッチを押すと例えば Macintosh の積算使用時間なども 0 になる.
この方法はリセットスイッチを押してもそれだけではリセットされたのかどうか心許ないのが欠点と言えないこともない.
ただ,私は Macintosh のほとんどの機種にリセットスイッチがあるのかどうか知らない.5.Shift + Command + Option キーを押しながら, アップルメニューからコントロールパネルデスクアクセサリを選択する.
- PowerBook 5300, 190, 1400 以降の機種では次の方法をとる.
PowerBook G3 Series では次のようになる.
- PowerBook をシステム終了する.
▼
AC 電源アダブタを外し,メインバッテリのみにする.
▼
PowerBook に電源投入し,Command+Option+P+R キーを押す.
▼
スクリーンが暗くなり,スリープランプが点く.(起動音が繰り返される場合がある)
▼
PowerBook 背面のリセットボタンをさらに押すと PowerBook が起動し始める.(リセットボタンで起動しない場合はパワーオンキーを押す)
- PowerBook をシステム終了する.
▼
Shift+Fn (function)+Ctrl (control)+パワーオンキーを押す.
▼
5 秒間待つ
▼
パワーオンキーから PowerBook を起動する.
6.ユーティリティソフトウェアを使用しクリアする.
- Plus を除くSystem 5.x から 6.0.x ではこの方法を用いる.ダイアログで OK とし, Macintosh を再起動する必要がある.
PRAM クリアの注意事項
- ユーティリティソフトウェアを利用することにより, PRAM の内容のバックアップ,リセットが行える.いくつかのユーティリティがあるが,最新版を用いる必要がある.
私はこの方法を推奨できない.理由はいくつかあるが,他に確実な基本的方法が用意されている場合にはそれらを使用した方がよいと思う.ユーティリティによっては機能拡張コンフリクトなどにより確実に行えないということがありえる.
私は必要もないのに PRAM クリアを行うことに懐疑的である. PRAM クリアは色々な設定が工場出荷時に戻ってしまい,再設定に時間を要す.初心者には PRAM クリア後の設定の困難な者もいる.何でも PRAM クリアするのは不適切ではあるまいか. PRAM クリアはある程度の経験者や使用している Macintosh の状態を把握できるユーザが行うべきである.
「サードパーティ製内蔵用カード」
一部サードバーティ製内蔵用カードには PRAM クリア後の設定を Macintosh が自動ではできず,ユーザが行わなければならないものがある.特に古い製品にはこのようなものがある.この場合,キーコンビネーションなどで Macintosh 起動時に設定を行うのであるが,そのキーコンビネーションが分からない場合に PRAM クリアすると Macintosh がそのカードを使用するための情報を見つけられず,ユーザも設定できない状況に陥る.
このような場合でさらにカードがディスプレイカードであり, Macintosh も古い機種でディスプレイカードなしではモニタが使えないというような場合や,インストールされた System が PPC 用なのに PPC カードが PRAM クリアで認識されなくなり 68k モードではメモリ不足( 32 ビットモードにならないため)となるというような場合,多分多くの人はどうしようもなくなりその Macintosh の使用をあきらめざるを得ないという非常事態に陥る.
「 RAMディスク」
PowerBook , iMac 以外の機種では PRAM クリアによって RAM ディスクの内容まで消去されてしまう. PowerBook , iMac でも RAM ディスクの内容を保存する設定にしていなければ同じである.
PRAM の内容
以下は TIL などで一般に Apple が公表している PRAM の内容である.かっこ内は工場設定であり, PRAM クリアによって戻る状態である.これはあくまでも Apple が TIL で公開している事項であり, PRAM の内容は決して以下の項目だけではない.また,初期設定値についても納得できない点がある.PRAM クリア後の設定
- AppleTalk の状況:
シリアルポートの設定と定義:
- AppleTalk のオン/オフ
LocalTalk/Ethernetアラームクロック設定 ( 12:00:00 AM )
- ポート A ( AppleTalk )
ポート B ( serial I/O )
ポートスピード ( bpsレート 9600, データビット 8, パリティ N, ストップビット 1)
アプリケーションフォント ( (for Finder) Geneva )(日本では Osaka )
シリアルプリンタロケーション ( プリンタポート)
キーの繰り返し速度(4)
キーの繰り返すまでの遅れ (2)
スピーカの音量 (3)
警告音 ( System Beep )
ダブルクリックの速さ (2)
挿入ポイントの点滅 (2)
マウスの速さ (2)
起動ディスク (ID 0)
メニューの点滅 (3)
カラー階調 ( 1 bit )
32ビットアドレッシング (オフ)
仮想記憶 (オフ)
RAM ディスク (オフ)
ディスクキャッシュ (32k)
PRAM クリア後にユーザは初期化された内容をコントロールパネルで再設定する必要がある.内容は上記を参考にしていただきたい.設定の必要なコントロールパネルは以下である.「Mac OS 9」
- 「Mac OS 8.1 以前」
・世界地図または日付&時刻
・起動ディスク
・メモリ
・マウス
・AppleTalkまたはネットワーク
・サウンドまたはサウンド&ディスプレイもしくはモニタ&サウンド
・一般設定
・モニタまたはサウンド&ディスプレイもしくはモニタ&サウンド
・セレクタ
・アピアランスまたはカラー
・キーボード
・ PowerBook セットアップなど PowerBook の SCSI ディスクモード ID に関連する設定
「Mac OS 8.5」
・「メモリ」 RAM ディスク切,ディスクキャッシュ初期値,仮想メモリオフ
・「 AppleTalk 」経由先がプリンタポート
・「一般設定」メニューの点滅,挿入ポイントの点滅
・「起動ディスク」ID 0 のディスクに
・「マウス」速さ,ダブルクリックの速さ
・「モニタ & サウンド」警告音と音量
・「キーボード」キーの繰り返しと繰り返すまでの遅れ
・「PowerBook SCSI ディスクモード」
・「日付 & 時刻」アラームクロック設定解除,都市(アクラ,ガーナ)
(世界地図が使われている場合も変更される)
・「アピアランス」アクセント色,強調表示色
・アプリケーションフォント
・「メモリ」 RAM ディスク切
・「 AppleTalk 」経由先がプリンタポート
・「一般設定」メニューの点滅,挿入ポイントの点滅
・「起動ディスク」ID 0 のディスクに
・「キーボード」キーの繰り返しと繰り返すまでの遅れ
・「PowerBook SCSI ディスクモード」
場合によっては次のコントロールパネルも再設定する
- ・ PowerBook の輝度,コントラスト調整
・日付 & 時刻の日付と時間( PRAM をキーコンビネーション以外の方法で完全にリセットした場合)
・Video カード,アクセラレータの設定
98/9/23
(C) Akiyama Satoru
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