475, 6100, 600, 400 バッテリ切れの問題 Tips & FAQs Macintosh News |
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475, 6100, 600, 400 バッテリ切れの問題
問題
LC 475, PowerMacintosh 6100 などのキーボードから起動しないで本体のスイッチから起動するタイプの Macintosh が,ある日突然起動できなくなる.原因はバックアップ電池切れである.
この障害はバックアップバッテリ(電池)を交換することによって回避できるのであるが,当初一部販売店等に修理として持ち込まれたものが電池交換で済むものがロジックボード交換となり必要のない多額の経費を請求されるケースが多発したため,そのような被害にあったユーザへの払い戻しプログラムが Apple から発表されている.つまり,問題はマシンに発生した障害とそれに随伴した修理店でのトラブルの両面がある.
障害の症状
「症状」
ある日突然スイッチを入れてもうんともすんともいわなくなる.ファンとハードディスクの回転は始まるのだが,ハードディスクに読み込みに行かない,モニタと連動している場合モニタもオンにならない.
「バッテリ切れが近づいた徴候」
バッテリ切れが近づくと,起動毎にメニューバーの日付,時間がリセットされてしまうという徴候が出てくる.また,起動中に勝手に再起動してしまい PRAM クリアされるとか,一回パワーオンキーを押しただけでは起動せず,何度か押さなければならないというような場合,起動できなくなる目前の状態である.
バックアップバッテリは起動中は本体電源ユニットから供給される部分に Macintosh 停止中に電流を供給している.そのため,頻繁に長時間使用しているようなマシンではなく,あまり使用せず休止していることが多いマシンほどバッテリの消耗が早く,このような事態が早く来る.
とりあえずの起動法
障害が発生し,起動できない Macintosh は Macintosh のスイッチを入れ,直ぐにスイッチを切り,また,スイッチを入れ直すと起動できる場合がある.起動できても根本的な解決にはバッテリを交換するしかない.
障害の起きる機種
475, 6100, 600, 400 シリーズで発生する.キーボードからでなく本体スイッチによって起動するタイプの機種で 3.6ボルトリチウムバッテリを使用しているものに限られる.以下の機種では起きるという報告と起きないという報告があり確認できていない.そもそもこれら機種は上記機種とバッテリの種類が同じでない場合があり,同一機種でも問題が起きる場合と起きない場合がバッテリの種類によって異なっている可能性がある.
- LC 475
Performa 400シリーズ(ほとんどが国内未発売)
Quadra 605(国内未発売)
Centris 610
Centris 650
Centris 660AV
Quadra 660AV
PowerMacintosh 6100
PowerMacintosh 6100AVバッテリの交換
- 630 シリーズ
500 シリーズ
バックアップバッテリが切れたり消耗している場合,認定修理店で交換することができる.しかし,その場合修理の基本料金が別途必要である.これら機種のバックアップバッテリは 1200-2000円程度のものであり,通常は供給されない補修部品であるが,この場合は例外としてアップルは一般販売店でも取り寄せ可能としている.475, 6100 など障害発生が確認されている機種はカバーを空けるのも簡単で,次のようにすればバッテリ交換も容易であるのでユーザでも交換できる.
バッテリは「塩化チオニルリチウム電池(スーパーリチウム電池」3.6vでサービスパーツ番号は 742-0011M である.1220 円(一般販売店で1780-1980円)で入手可能である.(1999年9月まで 700-800円程度であったが, 10月1日から元値が上がっている)
バッテリは Apple 補修部品としてでなくても一般電気店で入手可能である.「 ER3S TC (2)」(マクセル)の型番である.1200円(1999年10月1日から値上げされた) で購入できるはずである. Macintosh に内蔵されているリチウム電池はものによっては5年程度持つのだが,マクセルのものは3年程度しか持たないといわれている.これは環境問題がからんでいるので3年でも環境に悪影響がないほうがいいのではないかと思う.(国外の環境規制がないところで生産されたバッテリは 5 年近くもつと言われている)
交換の際の注意点としてはバッテリの + - の電極を間違わないことである.ケースに記されているので間違うことはあまりないと思われる. Apple の技術資料によると電極を間違って取り付けた場合バッテリが爆発すると書いている.
初めて Macintosh のケースを開くというような方は,他の部分に触れないようにしたい.静電気による破壊が起きる.静電気を逃すにはハードディスクなどに指で直接触れるだけでよい.
バッテリを入れ替えるには黒いプラスチックのバッテリケースを取り外すのに少々コツがある.このカバーは電池の + - の電極側に爪があってそこで固定しているため外す場合はそのノッチを少々開いてやらなければならない.二重になっている面の間に平たい先をした細い棒状のものを入れて内側から爪を開く.マイナスドライバでは厚みがあって難しいかも知れない.このようにすれば簡単に外れるものなので外すのに困難を感じる場合はやり方がおかしい.爪を開きすぎると爪を折るので注意願いたい.
バッテリは環境に影響を与えるので廃棄品はそれなりの処理を行わなければならない. Apple がサービスプロバイダでの交換を奨めているもう一つの理由がこれである.一般ゴミとして捨てないようにし,必ず電気店,スーパー,コンビニエンスストアなど電池廃棄を特別に行っているところに持ち込む.(これはなにも本件に限ったことではない)
障害への事前対策
「バッテリ切れが近づいた症状」に書かれたような状態が起きるようになったらバッテリを交換する.バッテリは販売店で注文取り寄せとなることがあるので,該当機種を所持している場合は症状が起きなくても購入後 4-5 年であれば予備バッテリを購入しておけばよい.
バッテリ切れは( PowerBook の一部機種のように充電するタイプでないものでは)全ての機種で起きることである.通常の機種でバックアップバッテリの消耗によって起動できなくなるというようなことは起きないのだが,ここで問題にした機種については起動できなくなるので事前の対策が必要である.
修理店でのトラブルと払い戻しプログラム
バッテリ切れによる起動障害が起きた場合,販売店にマシンを持ち込むと一部でバックアップ電池交換で済むものをマザーボードを交換されてしまい,理不尽な修理請求が行われた.これは販売店側の知識,経験不足によるものであり,アップルはそのような被害にあったユーザへの払い戻しプログラムを実施している.
98/9/24
99/10/13 電池価格改定のためその部分を修正した.
(C) Akiyama Satoru
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