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AirPort:キーチェーン未対応
USB Card Support 1.3.5: USB Device support およびチップについて
Mac OS 9:CD Update 2.0 をインストールできない
Mac OS 8.6:パスワード保護とJLK での入力切り替え
最近経験したこと (1):システムヒープ増大の原因とは?
最近経験したこと (2):失敗
よもやま:カラープリンタを買ったこと (その 1)
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[ 99/11/20]



本日は週末だからということでもないが,後半に「最近経験したこと」と「よもやま」大特集だ.



● AirPort:キーチェーン未対応


AirPort ソフトウェアは「現在」キーチェーン未対応 (Apple 談) だそうだ.「現在」という言い方には含みがあるように思えるが....



● USB Card Support 1.3.5: USB Device support およびチップについて


99/11/19 項目 " USB Card Support 1.3.5:USB Device support がインストールされない" の "USB Device support" について,三好氏と金子氏からお知らせいただいた.金子氏は USB が必要ないのにわざわざインストールして検証して下さっている.

「金子氏」

"USB Device support" 機能拡張は,TomeViewerで見ても存在しません.かわりに"USB Support" という機能拡張がインストールされ,この中には'usbx'(ID=1984)リソースが存在しています.ダウンロードした,"USB Card Support 1.3.5.smi" のタイムスタンプは,11月15日 15:00,展開後の,"USB Adapter Card Support" のタイムスタンプは,11月4日 17:00.

他に気付いたことは,日本語版(Mac OS 9)の機能拡張が US 版のものに上書きされます.以下の二つなのですが,バージョンは同じです.

HID Library 1.3.5

SerialShimLib 1.0.1

残念ながら,カードがないので動作確認などはできていません.



「三好氏」

「基板に W-670 とある」のだったら,おそらく CMD チップのカードですね.私の経験では 1.3.5 系では, CMD チップのは認識されないことが多いです. USB Support1.3.5 のリードミーに CMD と OPTi という文字はあるのですけどね.新しい 1.4 でもです. OPTi チップのカードなら, 1.3.5,1.4 でも動きます.

しかし,落とし穴があって,うちのマシン (UMAX Pulser) だと, CMD はマウス・キーボードなどと相性が良くて,ストレージとかプリンタなら OPTi が良いのです. OPTi にマウス・キーボードを使用した場合,アピアランスサウンドをオンにした場合,特にメニュー操作で固まります.キーボードはたまにチャタリング(勝手に繰り返す)を起こします.

CMD の場合動くのは 1.2 までなので,1.2 の場合の報告です.

CMD にハードディスクやカードリーダをつなぐと認識されなかったり,「初期化する」と云われたまま OS 全部が固まったりします.プリンタは認識されても通信エラーで途中で止まります.

うちでは, CMD チップのカードと OPTi チップのカードを 2 枚さして,使い分けています.ドライバは,CMD に合わせて 1.2 にしています.OS は,Mac OS 9 です.いずれもノーブランドの DOS/V 用のものです.秋葉原で, CMD チップのが2.5千円ほど, OPTi だと 1.6 千円ほどで買えます.



● Mac OS 9:CD Update 2.0 をインストールできない


TIL: 25057 : Mac OS 9: Incorrect Version for CD Update 2.0

iMac CD Update 2.0 または Power Macintosh G3 CD Update 2.0 を, Mac OS 9 の iMac か Power Macintosh G3 にインストールしようとすると,システムのバージョンが不適切であるというメッセージが表示される.これは CD Update 2.0 が正しく Mac OS 9 を認識できないことが原因である.

警告ウインドウでは自己責任においてインストールを継続するか?というメッセージも表示され,継続ボタンがあるので継続して行えば問題ない.



● Mac OS 8.6:パスワード保護とJLK での入力切り替え


TIL: 25058 : Mac OS 8.6: Crash With Password Security and Japanese Language Kit

Mac OS 8.6 US で Japanese Language Kit 1.2 をインストールしている場合に, PowerBook のパスワード保護 2.0 を使うと,ローマンとことえりの入力切り替えの際に Type11 エラーが発生してマシンはクラッシュする.ことえりとパスワード保護の問題であり, Mac OS 9 では解消されているそうだ.

ことえりとパスワード保護の問題だとすると, JLK でなくても起きるとも思われるが,詳細は不明.



●最近経験したこと (1):システムヒープ増大の原因とは?


大学の学生が使う 8500 で起きたことなのだが, Mac OS 8.5 のメモリ専有割合が実装メモリのほとんどを占めてしまうという事態が起きた.

最初は Finder ロード時にメモリエラーと表示されたり,ボリュームがマウントされずハングしたりする症状が現れた. shift 起動できるので, Mac OS のみの機能拡張類として起動したが障害が継続する.そこで Finder 初期設定を捨てて起動したがだめだったので, Finder をバックアップと交換した.

それで一応起動するようにはなったので,学生に戻したところ,ウインドウが開けずメモリが変だと言い出した.起動後の "このコンピュータについて..." を開くと,96 MB 搭載メモリのうち,システムが 95MB 以上を占めてしまい,残りは数百 KB となっている.起動はするのだが,起動ボリュームが現れた後に他のボリュームなどが表示されるのにえらい時間がかかる.

起動時にシステム専有メモリが巨大になってしまうような現象は 68K 機で 32 ビットアドレッシングがオフになっている場合に起きることのある FAQ の症状であるが,この場合は Power PC であるので該当しない.メモリコントロールパネルを開くことができたときに仮想記憶をオンにして起動してみたがハングしてしまう.しかたないので PRAM クリアしてみたが全く効果がない.

shift 起動で異常がないことや症状から見て,どうも初期設定が怪しいと思っていたので,初期設定フォルダをデスクトップに移して起動してみたところ,正常に起動し,システムのメモリ使用量は 20 数 MB と正常になった.いくつか設定の面倒な初期設定とアプリケーション関係の初期設定のみ戻して起動したが異常ない.壊れたシステムファイルの特定法を学習させるため,ここで学生に戻し,特定させた.

犯人はことえりの "自動学習辞書" !であった.

初期設定フォルダに入っているものなのだが,正確には初期設定ではなかった.また,最初に CD-ROM 起動を試すべきだったと思う. (回復に要した時間はその場合でも今回の手順でもそれほど違いはなかったろうが..... PRAM クリアは意味なかったと思う)



●最近経験したこと (2):失敗


99 パーセントこれが原因だと断言できるものはあるのだが,時間がないため実際には未解決のまま放置している.

同僚の教官からメールが使えないと言ってきた. Eudora-J の設定だろうと思って, 10 分で直ると言ってしまったのだが, 3 時間かかっても直せなかった.

実機は Performa 5270 であった.(のだが,頭によく入ってなかったのだった.. .) Ethernet 接続に問題があり,メールの問題ではなかった. AppleTalk を開いて EtherTalk を選択しても選択に失敗する旨のダイアログが即座に現れる.持っていった PowerBook をそこの Ethernet ケーブルにつなぐと問題ないので,マシン側の問題である.症状から考えて, Ethernet 関連のハードウェアが認識されていない. Ethernet のドライバ関連が壊れているか, Ethernet 関連ハードウェアの故障ということになる.そのマシンは CS (通信スロット) から Ethernet に接続していた.

以前,コンピュータ, Macintosh に詳しいというある教官がいじって以来おかしくなったという.その教官は Macintosh を健康にするためにと言って,いくつかなにかをゴミ箱に捨てて空にしたというのだ.

ならソフトウェアだろうと思って,確認した.ここで私はとんでもない思い違いをしてしまったのだ. Performa 5270 がいつのまにか私の頭の中で 54xx に変わってしまっていたのだ.私は Performa 5430 というマシンをこれまで都合 3 台自宅で購入している.なぜかこのマシンが好きなのだ.そのためかどうか,外観の大変よく似た 5270 かいつのまにか 5430 にすり替わったのである.

確認すると, CS II のドライバはある.壊れているのだろうと思って,漢字Talk 7.5.3 のシステム CD を上書きしたが,障害は変化しなかった.これはもうハードウェアだと思って,手持ちの CSII 用 Ethernet カードに取り替えて試そうとして,母版を取り出し,CS カードを外したところ,スロットが CS I であって, CS II でないことに気がついた.あわてて,マシン前面のプレートを見ると "54xx" ではなく "5270" であったのだ.

ここで私は冷静さを欠いてしまった.これまでの時間はいったい何だったのだろうと思ってしまったのだ.マシンがとにかく遅いので再起動しての確認にえらい時間がかかる.また,メモリ搭載量も小さく,例えば SCSI ディスクモードで私の PowerBook のハードディスクから起動しようにもできないのである.そのため障害の特定にとても時間がかかっていた上,同僚の教官の時間も限られて,私も忙しいのに散々だったのだ.

解せないのだが,システム上書きで CSI ドライバが入らないことがあった.しかし,ともかく,CSI ドライバを私のマシンの Mac OS 9 から入れて起動した.これで問題ないはずだった.ところが障害は改善されなかった.

同僚教官の時間がきて,同僚教官はどうせ iBook をインターネット専用に買うというので,そこで私はあきらめた.通信カードが故障している可能性があると思っていた.

その教官の部屋からの帰り道で気がついた.全ては氷解した. CS の Ethernt カードはオプションなのだ! そうなのである. Ethernet カードはサードパーティ製のものだったというのが実際なのだろう.最初に Ethernet 接続を確かめる際に Ethernet カードに LED がないことには気がついていた.こんな Apple 純正製品もあるのだろうかと思ったのだが,気にもとめなかった.そんな純正品はないというのが正しかったのだ.また,実際に CS カードを交換しようとしたときに,CS スロットの勘違いがあって,カードのベンダーを確かめる余裕がなかった.その時にはなんか見たこともないカードだなぁと思っていたのにである.

結局,ある教官が捨てたのがそのドライバだったのだろう.とんでもない勘違いのために 3 時間を棒にふった上に未解決のまま残してしまった. (が,カードメーカーが分からない限り,また,分かってもドライバの入手は困難な場合もある. iBook を買うんならそれでいいだろう)

このようなドライバが関わる問題の場合,見かけはハードウェアの故障と同一の症状の場合がある.まず最初に行うケーブルの接続確認のときに普段の私ならサードパーティ製であることに気がついていたと思えるのだが,残念だ.

自分のデザイン室に帰ってすぐ,直る可能性があると電話で伝えようとしたが,相手の教官は帰宅したのかもういなかった.翌日,説明したが,説明が理解できるユーザレベルではなく,私の技量を見透かされたのか,業者を呼ぶと言っていた.ドライバの件を是非説明するようにと言ったのだが,後日,業者が来たが解決できず,システムの再インストールとメーラの再インストールを指示されたそうなので,どうも伝わらなかったようだ.



●よもやま:カラープリンタを買ったこと (その 1)


私がときおり(数ヶ月に一回程度みたいだ)書く "よもやま" だが,皆様からのメールでも結構ご期待をいただいている.楽しみにされている方が少なくないようだ.

私としては, "よもやま" よりももっと少ない頻度で更新冒頭に書くことのあるおもしろい話や,私が編み出した "気にしない" という回避法を普及させることにも何とか力を入れたいと思っていたりするのだが,最近は少し忙しい.(そう言えば, "気にしない" を最後に書いたのはいつのことだろう.随分書いてない)

忙しいのに,今回 "よもやま'" を書くのは,忙しいからこそ息抜きしたいというのもあるが,考えてみたら,最近の "よもやま" は何か購入したということで書いていることが多い.今回もカラープリンタを買ったから書こうと思い立ったのだ.

EPSON の LP-8200CPD という PS カラープリンタを私のデザイン室で購入した.購入した理由はいろいろある.


「 PostScript プリンタについて」

これまでは大学の情報処理センターというところにあるキヤノン製 PIXEL Dio という PS カラープリンタを使用していた.これはもう 7-8 年くらい前に購入した製品だと思うが,そのままバージョンアップされていないため, PostScript レベル 1 のままである.それには Quadra 900 という Macintosh が接続されている.これに PS-IPU という RIP (RIP というのは画像を生成するハードウェアあるいはソフトウェア. PS-IPU はハードウェア) ほかとセットになって,当時二千万円の予算がかかったものだ.

PS (PostScript) プリンタについてあまりご存じない方もいらっしゃると思うので少し説明する. PostScript というのは Adobe 社が開発した,印刷のことを考えた一種のプログラム言語である. PostScript を使うことによって,それまでほとんど不可能であったスケーラブルフォント (ATM や TrueType などで表示されるなめらかな文字) をデザイナーや出版業者が手にしたのである.これによって,DTP が現実のものになり,パーソナルコンピュータがそれまでの数億といったような値段の装置に代わって印刷の主役になったのである. Macintosh が印刷に強いと言われるのは,この PostScript によるレーザプリンタ出力を実現できたのが,当時としては Macintosh だけだったということがある.

PostScript はその後, ATM の開発などを通じて Macintosh になくてはならないものとなっているが,印刷の場面ではむしろ PostScript が主役であり,それを使うコンピュータが Macintosh ということになっている. Apple と Adobe はこの PostScript や ATM などを巡って,愛憎半ばするおもしろい歴史がある.フォント戦争とか呼ばれたこともあったりした.日本の和文のことも関連してくると,とてもひとことでは言い表せない歴史を背負っている.

Macintosh の画像出力は主にモニタ出力とプリンタ出力であると言えると思うが,このうちモニタ出力と一般的なユーザのプリント出力については QuickDraw というプログラムによって画像が生成されている.皆さんがインクジェットプリンタで印刷される画像やモニタの画面はこの QuickDraw が描いているのだ.

これに対して PostScript プリンタはプリンタに組み込まれた PostScript プログラムが画像を生成する. PostScript プリンタは先に書いたなめらかなフォントという当時としては驚天動地の出来事を起こしたのだが,今日では QuickDraw プリンタでもそれは可能だ.(PostScript を巡る歴史のなかで実現されてきたのだが.) しかし,現在でも QuickDraw プリンタに比べて明確な利点がある.それは個々のプリンタやコンピュータなどの環境の影響を受けないという点である.つまり,どこで出しても同じ仕上がりになるという性質があるのである.これは出版,印刷では決定的に重要な点である.

PS プリンタは QuickDraw プリンタに比較して馬鹿馬鹿しいぐらい高価であり,使い方によっては出力可能フォントの種類が制限されてしまう.印刷に携わらない方の中には,いったい PS プリンタのどこがいいのかと思われる方もいらっしゃるかもしれないが,印刷関連では "絶対" のものなのである.高価だがそれだけのものがある.


「 EPSON LP-8200CPD を購入した理由 (その1):使っていた PS プリンタの限界」

さて, PS プリンタを購入した理由に戻りたい.まず,これまでの環境への感謝と文句などから.

これまでの大学のキヤノン PIXEL Dio だが, PostScript レベル 1 であることと,処理速度に限界というか我慢の限界というかを感じていたことがある.

PostScript にはこれまで三つのバージョンがあって,現在は PostScript 3 と呼ばれているのだが,これまで PIXEL Dio で使ってきた PS-IPU という RIP は PostScript レベル 1 であった.このレベル 1 ではいくつかの制限があっていつも苦労させられていた.ひとつはクリッピングパスが単純なものしか使えず,ポイント 10 個程度のパスで PostScript エラーが発生した.また,フルカラー出力に問題があった. Dio からのフルカラー出力でときおり (いや,ほとんどいつも) 256 色のようなトーンジャンプが起きるので,キヤノンの方に聞いたことがあるのだが,その方はレベル 1 でトーンジャンプのないフルカラー出力できることがあることの方が不思議だと言っていた.

私のデザイン室には OKI Microline ML803PSII+F というモノクロ PS プリンタがある.これが PostScript レベル 2 対応なのだが,こちらで試しに出力して問題がなくても, PIXEL Dio で出力するとエラーが出るのである.ちょっと複雑なパスを出すことでも PostScript エラーが出ていた.

処理速度だが,皆さんは Quadra 900 というマシンをご存じだろうか.これは当時はモンスターマシンのようにも思えたのだが,040 マシンでもあり,現在ではとても遅い.私の家内が辞書専用マシンとして使っている 040 化した Performa 275 ( ColorClassic II) よりも遅いのだ.ハードディスクは 250 MB くらいだ.(よく憶えていない.) ネットワークを利用してデザイン室のマシンからデータを送ればいいのだろうが,プリンタに電源を入れるためには数百メートル離れたところへ行かなければならず,結局時間はかかるのだ. PIXEL Dio の PostScript 部である PS-IPU の CPU も当然バージョンアップしないままなので遅いままである.(バージョンアップすれば PostScript のバージョンも上がるのだが,数百万円かかる.後で書くように PS カラープリンタが数十万円となった今はそのようなバージョンアップは非現実的である.)

こうしたことから PS 出力には異常に時間がかかっていた. Illustrator に画像を貼り込んで一枚出力する場合, Quadra が PS-IPU にデータ転送するのに 1 時間, PSーIPU が処理するのに 1 時間... というのは早い方だ.それ以上かかることも当たり前のことで,そのあげく PS エラーが出る毎日の繰り返しなのだ.私の学生はこの状態で制作していた.デザイン室からは数百メートル離れた場所まで行かなければならず,おまけに土日や夜は使えず,学生は泣いていたものだ.(導入された当時はそれでも感謝し,喜んでいた.当時このプリンタを好きなだけ使えたことは大変に恵まれた環境だったと思う.しかし,近年さすがに辛くなっていた)

また, Dio の場合,最大 A3 出力というサイズも不満だった.デザイナーが使う場合,裁ち落としという技法というか技術というかに対応するとすれば,プリンタの A3 というのは実質 B4 と同じなのだ.A3 出力のためにはどうしても A3 ノビとか A3 W とか呼ばれる規格外の用紙サイズに対応している必要がある.

(ここまで PIXEL Dio の環境のことをいろいろ書いたが,念のために言うが,これは PIXEL Dio の問題ではなくて,バージョンアップされないことに問題があったのである.また,先に書くが, PIXEL Dio の出力結果はとても上品で気に入っている)


「 EPSON LP-8200CPD を購入した理由 (その2):インクジェットプリンタでの模索」

LP-8200CPD に話を移す前に,もう少し,インクジェットプリンタの話をしたい.

もう,我慢の限界に来ていたのだが,予算はないし... ということで A3 ノビのインクジェットプリンタを今年最初に購入してみた.EPSON PM-3000C という製品である.当時私にはもう近々新型が出ると思われたのだが,我慢の限界ということで購入した.案の定しばらくして PM-3300C という新型が出たのだが,がっかりすると思いきや, USB でしか接続できない新型を見て旧型を滑り込みで購入していたことに感謝したものだ. USB はプリンタサーバとなるマシンが私のところではまだまだ USB 対応でないものばかりで困るし,現状では USB はまだまだ不安定だ.

PS に関してだが, EPSON PM 3000C については "CPSソフトリッパー4" という EPSON インクジェットプリンタ専用ソフトウェア RIP があり,これが PostScript レベル 2 であり,大変安価であった.また, EPSON のインクジェットプリンタの多くはネットワーク非対応であるが,この CPSソフトリッパー4 を使えばネットワーク上からプリンタを共有できることも魅力であった.

EPSON PM-3000C の出力については概ね満足できたのであるが, CPSソフトリッパー4 の方は期待していたほど機能してくれなかった.ネットワークからは使えたのだが,どうも発色が良くない.通常のドライバからの出力がきれいだった.また,使い方が悪いのか,なぜか画像が網点にならないのだ.本当に PostScript なのかと思ってしまう.それで困ってしまっていたのだが,そこに LP-8200CPD が発売予定だと知らされたのである.一も二もなく飛びついてしまった.藁をもすがる思いでもあったと言ってもいい.

それまで私のところではインクジェットプリンタはキヤノン BJC-700J を使用していた.このプリンタにはいくつか不満があった. Macintosh との接続に別売りのケーブルを購入しないといけない.これが高価なように思えた.ドライバはそのケーブルを購入しないと入手できない仕組みになっている.このドライバについてもエラー表示が問題を特定するのにあまり役立たないなど改善してもらいところがいくつかあった.しかし,改善どころか現在では Web でのドライバ公開さえ行われないようになってしまって,これから先の OS バージョンに対応するとは思えなくなってしまった.また, BJC-700J に関してはがきや封筒など小さいサイズの給紙はできないと思った方がよい.

しかし, EPSON PM-3000C を購入してみると,キヤノン製インクジェットプリンタの良い点が見えてきた.ひとつは AppleTalk 対応であることと,もうひとつはインクヘッドが別売りになっていて,交換できる点である.

何人かでプリンタを共有する場合はネットワーク対応プリンタであること,特に Macintosh の場合, AppleTalk 対応であるとよい.この点,EPSON の一部インクジェットプリンタは対応できていない.スプールファイル等を共有するなどして共有を実現できる場合もあるが, PM-3000C などその方法でもできない場合がある.

参考:ネットワーク非対応 EPSON 製プリンタをネットワーク対応させるシェアウェアなど
EpsonShare
UNICORN

インクヘッドであるが,私は BJC-700J 以前には StyleWriter の初期のものを何台か経験していた.これらはキヤノンの OEM 製品であり,ずっとキヤノン製インクジェットプリンタを使用していたことになる.これらキヤノン製インクジェットプリンタ (当初バブルジェットと言っていた) はインクタンクとヘッドが一体になっていたり,ヘッド部がインクタンクと組になっていたりしているのである.そのため, EPSON 製プリンタを購入して初めてヘッドが交換できない場合があるということを知ったのである.インクヘッドは損耗していくのでいつかは寿命が来る.EPSON の場合,ヘッド交換のためには本体を修理に出して交換してもらわなければならない.

少し前まで, EPSON のドライバには問題が多く,このページでもいつも触れていたことがかつてあった.しかし, EPSON PM-3000C を使ってみる限り,それらは随分改善されていて,プリンタの状態などの把握可能な使いやすいものになっていて,プリントエラーの出る可能性は低くなっているし,概ねエラーダイアログは正確に障害を示してくれる.

一般にプリント障害は通信エラーと同様,原因の特定に手間取り,解決まで時間がかかる場合が多いように思う.プリントエラーを学生や周囲の Macintosh ユーザが解決してくれと言ってくると,正直言って,ぞっとする.従って,エラー表示が具体的にしかもネットワーク上で情報表示できるものであれば大変うれしい.私はしばらく新しい製品を使ったことがなかったので,最近のプリンタは EPSON に限らずよくなっているのかもしれない.

(次回に続く.LP-8200CPD 試運転のドタバタなど)



(C) Akiyama Satoru



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