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[ 98/10/28]



● Mac OS 8.5 :システム CD から起動しない


Mac OS 8.5 システム CD から起動できない問題が複数例 Apple に報告されている.同一環境で機種が異なることで起動したり起動できなかったりする.起動できない場合は起動途中でフリーズする場合がある.それらの場合,例えば Mac OS 8.1 など他のシステム CD からは問題なく起動できる. Apple では現在調査中である.

追記:
上記項目は米国 Apple からの情報であるが,田中(潤)氏から同じ障害をお知らせいただいた.上記項目で詳しくは書かなかった米国での障害報告と一致する.

マシンは 9500+MAXPowerG3 300/1M/300 で CD-ROM ドライブは Apple 純正 8 倍速です.(中略) 8.1 の CD-ROM からは起動できるのですが 8.5 では全く認識されないようです.起動 Disk コンパネで 8.5J の CD -ROM を選択することは可能なのですが,実際に再起動すると HDD からの起動してしまいます.起動時に C を押しっぱなしにした場合は白い画面のままで無反応の状態になります.(フロッピー+?のアイコンも表示されない)通常に起動 Disk から起動した状態では普通にマウントされるので 8.5J の CD-ROM に含まれる起動用のSystemフォルダーになんらかの問題が有るのでは思っていたところです.ちなみにこの現象は今のところ 9500 でしか確認できておらず,他のマシンでの確認を至急行ってみます.ちなみに会社で使っている Performa6420/120 では問題なく起動できました.

私のところには他にもいくつか 8.5 システム CD から起動できない,認識できないというご報告をいただいているのであるが,障害が詳しく書かれていないため,これらと同じものかどうかはっきりしない.

上記の問題とは別に SCSI に関して Mac OS 8.5 がより敏感であるかも知れないと思われる点もあり, SCSI CD-ROM ドライブに関してターミネーションその他を確認する必要もある.



● Mac OS 8.5 :ディスク損傷(継続)


Mac OS 8.5 をインストールしたディスクが認識されなくなる場合がある問題で, TERO 氏からドライバ更新の関係ではないかとご意見をいただいた.

TERO 氏は Apple のドライバを使用している場合のドライバ更新に失敗するのではないかと指摘されているのだが, MacInTouch の Disk Damage Issueに掲載された投稿にはサードパーティ製ドライバを使用している場合とか, Mac OS 以外の OS も同時にインストールされている場合が多い. UMAX の警告の場合も UMAX 製クローンは HDT でフォーマットされたディスクを使用している.(もともと Apple のドライバが使われている例も記載されているが)

これは当然の事なのだが,システムアップデート時に Mac OS インストーラはディスクを Disk First Aid で検証しドライバも自動で更新してしまう.インストーラはデフォルトではドライバ更新はオンになっている.この場合でも Apple 以外のドライバで初期化されたディスクにはなにもしないで更新しないというアラートを出すのだが,何らかの理由で関連しているかも知れない.

また, TERO 氏はインストーラのドライバ更新は OS インストール対象ディスクのみならずリムーバブルを含む接続された全てのドライブを更新すると警告されている.この点は私も確認した.インストールするマシンでは他のディスクを接続しないようにし,サードパーティ製ドライバを既に使用している場合はインストーラ画面の設定で(オプションボタン)ドライバ更新を切ったほうが確実だろう.

なお, ATA ドライバは Drive Setup 1.5 の 3.1.0 から 3.1.3, SCSI ドライバはドライブ設定 1.4/ Drive Setup 1.5 の 8.0.9 から 8.1.0 に更新されるので Apple のドライバを使用している場合は更新させてよい.

追記:
この問題は誰にも起きるわけではない.ほとんど起きないと言っていい.針小棒大にこれらの問題を取り上げたくはない.しかし,注意してしすぎるわけでもなかろう.

とにかくめったに起きることではないのだが, MacInTouch 10/27 はこの問題について 14 の注意点を列記している.詳しくは MacInTouch を参照願いたいが,いくつか目に付いたものを記してみる.

・パーティションサイズを変更したり, Mac OS 以外の OS で使用していたディスクにインストールしない.

・ HFS + を起動ボリュームや重要なファイルのあるボリュームに施すのは避ける.

・問題が発生した場合,サードパーティ製ディスク修復ユーティリティを用いてはいけない.

・ Apple ドライバを使用する(特に IDEには ).PowerBookでの HDT の使用は慎重に.

・ Speed Doubler を使用しない.

・ システム CD から起動しないで,インストールしたいボリュームとは別パーティションから起動してインストールする.

・仮想記憶をオフにするか,仮想記憶対象ディスクを別のパーティションに指定する.

・問題が発生しディスクを認識しなくなった場合,ドライバを書き換えると効果があるかも知れない.


これらは MacInTouch に寄せられた読者のケースの最大公約数的な経験則であって,何ら障害を説明したり,原因を示唆するものではない.私には Speed Doubler の指摘は全く理解できない.システム CD から起動しないという注意はドライバ更新させないということであれば理解できるが,それだと別パーティションから起動する方法はほとんど意味がない.かつて,システム CD からのアップデートで PRAM クリアを強制的に行わせたことがあるが,今回それは行っていないようで,意味不明である.



● Planet Earth の問題


98/10/15 日の欄外に書いた Planet Earth でダブルシャットダウンが起きたり,ゴミ箱に救出された項目が入っている問題は,機種等環境によって,全く同じように起きる方と救出された項目だけできる場合とがあるようだ.私の場合でも 8500 ではダブルシャットダウンは起きなかった.

ゴミ箱に救出された項目が入っている点については杉崎氏からその項目は University of Wisconsin-Madison's Graduate SchoolのSpace Science Engineering Center の提供している世界の雲画像(および温度)データであるとお知らせいただいている. Planet Earth がこのデータを使っているようだ.

Planet Earth はこのデータを起動ディスクルートの不可視一時ディレクトリに作成する.システムが終了したり,再起動する際にこれを消去しないようなのだ.

ダブルシャットダウンが起きる場合の回避法としてはこの不可視ファイルを手動でゴミ箱に移すか AppleScript でも作成するほかには考えつかない.



●偽ウイルスチェーンメール:JOIN THE CREW


私の学生のところにメールが送られてきた.同時に PENPAL GREETING が内容として並んで警告されている.調べてみると全国的に広がっているようだ.これらのウイルスはデマであり,善意をあざ笑う悪質ないたずらである.このようなメールの特徴としては,次のようなものがあげられる.

メールを開いただけで感染すると書かれている

ハードウェアが破壊されると書かれている場合がある

プラットフォームの区別が書かれていない

多くの人にメールで知らせようという呼びかけがある


ウイルスについては次のことを知っておけば,デマウイルスを見分ける助けになるかも知れない.

メールを開くだけで感染するウィルスはない

ハードウェアを破壊するウイルスはない

Windows で BIOS を書き換えたり, Macintosh でもプリンタ内プログラムを書き換えることにより ROM 交換をしなければならないものはあるが,ハードウェアが物理的に破壊されるわけではない.

異なったプラットフォームを襲うウイルスはまだ珍しい.

プラットフォームの区別例えば Macintosh とか Windows とかの区別を書いていないウイルス警告は信用できないということ.異なったプラットフォームを襲うものはマクロウイルスか Java ウイルスであるが,特定の状況でのみ感染するものだ.


詳しいデマウイルスやネットワーク越しのウイルス感染についての記述は "Macintosh のコンピュータウイルス" ネットワークからの感染をお読みいただきたい.

メールを開くだけで感染するウィルスはないのであるが, "Macintosh のコンピュータウイルス" 公開以降,悪意のメールを開くだけでデータ損傷が起きるセキュリティホールが Microsoft Outlook Express に発見されている.(可能性が示唆されただけで実際にそのようなものは存在しない.また,英語版についてはパッチが公開されている.なお,このセキュリティホールは PC では他のメーラでも発見されているが, Macintosh では Outlook Express 以外での確認はない.参考: 98/8/10 項目「バッファオーバーフローセキュリティ問題」)

メールを開くだけで感染するウィルスはない.しかし,添付ファイルがウイルスプログラムを含むアプリケーションやスクリプトになっている実行形式である場合などそれを開くことで感染する場合がある.よく分からない添付ファイルは確かめないまま不用意に開いたりすることがないような慎重さが必要であろう.特に MS Word 6, Excel 5 以降などを使用している場合にはそれらの添付ファイルには注意を払うべきであろう.(次項でも書いたが,それらの形式にしないように習慣づけるという方法もある)

ただし,添付ファイルがハードディスクに書き込まれる(受け取る)だけで感染することはない.また,普通は添付ファイルは圧縮されてたり,エンコードされているものだ.このままでは感染のしようがない.さらに,それらを復元したところでファイルのままであって,開かない限り感染しない.

追記:
今回のチェーンメールについて村田氏は偽ウィルス情報に注意!というページを作成されている.



● Excel マクロウイルス: Extras


98 年 5 月に PC で国内感染が確認されているが, Macintosh での国内感染が確認された.Win/Mac 間で感染する.

Excel 感染ファイルを開くと Microsoft Excel に感染し PC の場合, XLStart フォルダー内に Windows Extras.xls ファイ ルを作成する. Macintosh ではシステムフォルダ,初期設定, Excel Startup フォルダに Macintosh Extrasファイルを作成する.その後はファイルを新規,更新の別なく開くと作成されたデータファイルに感染する.症状としては SAVE や PRINT のツールバーを使えなくすることがある.

Excel マクロウイルスの対策としては,ファイルをやりとりするときは Excel4.0 の形式にするか SILK 形式にするなどの方法で防ぐことができるが,最も簡単でかつ完璧な方法は Microsoft の Excel 5,Word 6, Office 98 を使用しないことである.



Apple System Profiler 2.1.2


Mac OS 8.5 に添付されているもの.( US 版)



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(C) Akiyama Satoru



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