Macintosh トラブルデータベース Archives |
● Disk First Aid 8.6.1 北米版 ● Apple DVD Player 2.4 北米版 ● AppleScript Update 1.6 日本語版: Mac OS X 対応 ● Word 2001:ハイフネーション設定で異常終了する場合 ● CRT を扱う際の安全留意事項についての TIL ● 内蔵リチウムバッテリの廃棄などについての TIL |
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[ 01/5/5]
● Disk First Aid 8.6.1 北米版
Disk First Aid ( US-Z English)
北米版と記載されているが,「( US-Z English) 」という名称にもなっている. TIL 75102 上で北米版とされているものと国際英語版とされているものも結局同一のものにリンクされている.(通常 Z は国際英語版. UK バージョンなどが移行したもの)
Mac OS 拡張フォーマット (HFS Plus) ボリュームの特定のタイプのマスターディレクトリブロックの損傷を修復する,また, Mac OS 拡張フォーマット (HFS Plus) の Mac OS X との互換を改善すると書かれている.
Disk First Aid 各国語バージョンを日本語 Mac OS 上で使用することに日本語表示以外の問題はない. Mac OS 9.1 上で使用してみたが,何も報告されなかった.
● Apple DVD Player 2.4 北米版
Apple DVD Player 2.4 北米版
Mac OS 9.1 北米版, QuickTime 4.1が必要.また Apple DVD Player 2.x がインストールされていること.
「対応機種」
・ iMac DV (Slot Loading) ・ Power Mac G4 (AGP Graphics) ・ PowerBook (FireWire)
「非互換について」
・ハードウェアデコード (Power Macintosh G3, PowerBook G3, Power Mac G4 (PCI Graphics) ) とは非互換.
・ After Dark のスリープ機能と非互換.DVD ムービー再生中に After Dark のスリープ機能を使ってはならない.
・ DTS エンコードディスクに対応していない.
「自動再生機能の停止法」
DVD AutoLauncher 機能拡張を機能拡張マネージャで使用停止する.
「DVD 再生がとぎれるなどの現象について」
Apple DVD Player 再生中に他のアプリケーションやコントロールパネルを使用すれば再生がとぎれたりするのは当然である. Apple DVD Player 単独で使用すること.再生処理を向上させる方法は他に以下のようなものがある.
ほか,「コントローラ使用について知っておくべき事柄」「両親用設定」「FBI の警告が表示された場合」「言語設定」「キーボードからのディスクメニューオプション」「ワイドスクリーン作品の上下の黒部分」「全画面表示選択法」「外部スピーカの使用法」などの事項が述べられている.
- ・ "省エネルギー設定" コントロールパネルでシステム,ハードディスク,ディスプレイをスリープしないように設定する.
・ "AppleTalk" コントロールパネルの「編集」メニューの「利用者モード...」を選択して「オプション...」から AppleTalk を「切る」にする.
・ネットワークのためのケーブルを抜いてネットワークに接続しない.
・ AirPort (AirMac) を切る.
・ Sherlock の索引作成を停止する.
● AppleScript Update 1.6 日本語版: Mac OS X 対応
AppleScript Update 1.6 日本語版
"AppleScript" 機能拡張, "スクリプト編集プログラム" の各 J1-1.6 バージョンやサンプルスクリプトほかが含まれている. Mac OS 9.1 以降が必要.現行 "AppleScript" 機能拡張のバージョンは "AppleScript" 機能拡張 J1-1.5.5.
添付された "AppleScript について" には一部以下のような内容が記されている.
「Mac OS X に対応する機能追加」
「修正点」
- ・「Mac OS 9」用に作成されたスクリプトを「Mac OS X」の Classic 環境で使うことができる.
注意:スクリプトを Classic で使用する場合, Classic の「Mac OS 9.1」システムにインストールする必要がある.
・「Mac OS X」で作成されたスクリプトを使ったり,「Mac OS X」で使用するスクリプトを作ったりすることができる.
・「Mac OS X」が対応する Unicode テキストで処理できるように,Unicode テキストのデータ型を使ってスクリプトを作成できる.
・「Mac OS X」用に作成されたアプリケーション上で動くスクリプトを使用できる.
● Word 2001:ハイフネーション設定で異常終了する場合
- ・初期のバージョンで作成したスクリプトアプリケーション(アプレット)を,スクリプトで定義すると,変数や属性が定義されていないと通知される点.
・スクリプティング追加機能の Read/Write 命令を正常に動作するようにした.
[WD2001] ハイフネーションの設定をオフにするとられた状況でエラーが発生する場合がある。
Microsoft Word 2001 for Mac において,かなり限られた状況でハイフネーション設定を以下のように変更するとアプリケーションが異常終了する場合があることが発表されている.実際に起きることは稀であろう.現在調査中だそうだ.
「障害が発生する操作」
45 文字以上でハイフンやスペースで区切られていない,かつ複数行にまたがる文字列を入力後,ハイフネーションの設定の「単語を自動的に区切る」を再度「オフ」に変更する.
● CRT を扱う際の安全留意事項についての TIL
TIL: 50078 : CRT Safety
サービスプロバイダ向け文書.CRT 陰極ブラウン管を使用したモニタ内部は高電圧部があり,生命に関わる危険性がある.また,中が真空のガラス管であり,扱いによっては爆発し (「内破」という) 失明の恐れもある.以下の紹介文は知識として読むだけにし,実際に実行しないように.ここで紹介するのも,いかに危険であるか知る意義もあろう.以下,内容である.
「CRT 安全予防設定措置」
ブラウン管 CRT は Macintosh の一部機種で映像を表示するために使用されている.CRT は高電圧かつ真空の画像管である.ひびが入ったり壊れると内側に破裂してガラス片をまき散らす.CRT を扱う作業,または CRT 近くで作業する場合,以下のすべての安全規則に従い,管の破裂に対する予防策を講じておくこと.
「CRT 通電状態での調整ルール」
- 「一般的ルール」
コンセント
アダブタプラグ
- コンセントは必ず接地されていること.アース/極性検知器を使用する.すべてのコンセントを検査し,建物の電気配線について接地処理がはっきりしない場合,電気工事士資格者に尋ねる.
人体
- 三つ又プラグを二股プラグに変換するアダブタプラグは使用してはならない.アース端子がないからである.
金属,宝石
- 一人だけで作業しないこと.事故時に近くの人が生命を救ってくれる. Apple は救急心臓マッサージ (cardiopulmonary resuscitation (CPR)) をスタッフが会得することを推奨する.
アース用具
- リング,腕時計,ネックレスなど貴金属を外しておく.それらは導電体である.感電を予防するために外す.
安全ゴーグル
- CRT 放電や通電状態での調節時に,リストバンド (リストストラップ),ヒールストラップを使わないようにし,また,接地された静電防止マット (導電シート) 上で作業しない.それらは電流がないものに使用することを推奨する.
電源
- CRT 内破時のガラス片を防ぐ.
片手
- 調整以外では,作業前にマシンやモニタの電源スイッチを切り,電源ケーブルをコンセントから抜いておく.電源スイッチを切っても一部は通電している.
アノード
- 通電状態での調整時など,片手をポケットに入れるか後ろ手に回しておく.片手の作業は感電時に心臓までの電流を減少させる.
(秋山注:左手より右手の方が心臓に遠いので,右手で作業する方がよいといわれている.また,手のひらをこちらに向けて作業するとよいともいわれている.それは反射的に手のひら等が閉じられる方向が,その方向だと電源から離れる方向だからだそうだ)
絶縁トランス
- ユニット内部での作業前にアノードを放電する. CRT 放電を参照せよ.一部モニタや CRT 内蔵 Macintosh は,電源が切られたときに放電するためアノードに放電用抵抗がある.しかし,それでも放電が十分でない場合に備えて放電作業をする必要がある.
アノードコネクタとアパチャ
- 通電状態での調整時,モニタ電源ケーブルプラグとコンセントの間に絶縁トランスを使用し,感電の可能性を減らす.ほか.
CRT ネック
- 「警告」:アノードコネクタやアノードアパチャに触れてはならない.通常アノードアパチャはアノードコネクタプラグを持っている. CRT を交換する場合,アノードコネクタを取り外し,アノードアパチャが露出する.電源が切られていても,放電用抵抗が放電に失敗した場合,アノードには数千ボルトの電圧が残留する.また,放電後に帯電することがある.
- 「警告」: CRT の細くなっているネック部分を持っったり持ち上げたりしてはならない.内破防止のため,あらゆる防止策を講ずる.
「CRT の放電」
- プラスチック製調整工具
帯電している部品
- 通電状態でモニタを調整する場合,プラスチック製工具,絶縁ドライバのみを使用する.
- 作業時には通電している以下の部品に触ってはならない.
「警告」
部品に触ると,深刻な傷害に及ぶ可能性がある.
一般的にハンダ部や被覆されていない露出電線に触らないこと.
- ・高電圧ケーブル
・アノードキャップ
・ヨークケーブル/コネクタ
・フライバックトランス
「CRT 放電手順の詳細」
- 作業前に CRT の放電を行うことで感電の危険性を減少させることができる.最近の Macintosh モニタは放電用抵抗があり,電源を切ると自動的に CRT から放電する.しかし,放電に失敗する場合,アノードは帯電し続けている.確実に放電しておく必要がある.
必要な工具
CRT 放電工具
- 安全ゴーグル
絶縁フォームパッド
ニードルノーズプライヤ
両端がワニ口クリップとなっている導線付き放電工具
Apple CRT 放電工具
- Apple CRT 放電工具
旧 Apple CRT 放電工具
ドライバと導線 (導線付きドライバ?)
「注意」
Macintosh (秋山注:原文にはオリジナルという語が抜けていると思われる) と Macintosh Plus で旧 Apple CRT 放電工具を使用する.新しい Apple CRT 放電工具をそれらのマシンに使用する場合,母板を破壊しないようにアース突起に接地しなければならない.
旧 Apple CRT 放電工具
- 「Apple CRT Discharge Tool」部品番号 076-0381
ステンレス製ワニ口クリップ,厚い絶縁,ハンドガード.
内部抵抗はないので,放電用抵抗のない CRT 放電時に音で放電を知ることができる.
CRT 放電の概要
- 「Apple CRT Discharge Tool」部品番号 076-0243
銅製ワニ口クリップ,ハンドガードなし.
100メガオーム抵抗内蔵のため,放電用抵抗のない CRT 放電時でも音はしない.オリジナル Macintosh と Macintosh Plus の母板用.ほか.
- CRT 電気安全作業環境の設定
カバーの取り外し
一体型マシンの内蔵モニタのアース突起 (ground lug) に放電工具を取り付ける.また,モニタの場合,放電工具を金属シャーシに取り付ける.
アノードアパチャに放電工具の探針を触れる.
「交換後の CRT 廃棄返品など」
- CRT 電気安全作業環境の設定
カバーの取り外し
- 実行前に最初の「CRT 安全予防設定措置」を参照すること!
電源を切り AC 電源ケーブルを抜く.
「警告」
深刻な傷害を被らないため,ヨーク部分,ヨークケーブル/コネクタ,高電圧ケーブル,アノードコネクタ,フライバックトランス, AC 電源スイッチ内部,主ヒューズ,ハンダ部や被覆されていない露出電線に触らないこと.
身につけている金属,宝石をすべて取り外し,リストバンドを着用する.
安全ゴーグルを着用する.
放電工具のアース
- 分解の章を参照してカバーを外し,内部シールドを外す.
モニタまたは Macintosh を絶縁パッド上に後ろ向きにセットする.
アノードアパチャに放電工具の探針を触れる.
- 「モニタ一体型」
「注意」
一体型コンパクト Macintosh で CRT をメタルシャーシに間違って放電した場合,母板が損傷する.放電突起に放電しなければならない.
CRT 放電工具のクリップをコンピュータの放電突起に取り付ける.
「単体モニタ」
CRT 放電工具のクリップをモニタシャーシに取り付ける.
CRT/ビデオボードの取り外し
- 片方の手を後ろに回し,片方の手で放電工具のハンドルを持つ.
CRT 放電工具をブラウン管の表面に置き,工具の探針をアノードキャップの下に滑らせて,アノードアパチャに触れさせる.
(以下,工具を取り外すまで上記逆手順.省略.ここで探針を触れて放電された場合,「バチッ」という音がすることで判る.ただし最近の機種では必ずしも帯電しているとは限らないとここまで書かれていることに留意)
「警告」
旧 Apple 放電工具を使用する際,放電を示す音がしない.確認するために,マイナス絶縁ドライバとワニ口クリップつき導線を用いて上記 4 手順を繰り返す.
接地線の確保
- ボード交換, CRT 取り外しの場合のみ.
「警告」
CRT/ビデオボードを取り外す際 CRT 放電を行うこと.
「注意」
ねじったり曲げたり, CRT/ビデオボードに力を加えると CRT ネックが損傷する.
(ほか分解に関する参照章の記述など)
- 放電された CRT は帯電することができる.放電された CRT はどんな時間露出されるにしろ,接地線を確保しなければならない.
「警告」
接地線を確保する前に CRT 放電を確認すること.
アノードアパチャからアノードキャップを外すためにアノードキャップをニードルノーズプライヤではさむ.
ワニ口クリップの一方を接地する.
他方をアノードアパチャに接続する.
交換の注意
- アノードキャップを交換するため,ニードルノーズプライヤでアノードコネクタ外側のプラスチックカップと一緒にはさみ,アノードアパチャに挿入できるようにする.確実に取り付けられているか確認するため,高電圧ケーブルを引っ張ってみる.その後,ゴム製アノードキャップ周縁部をきちんとシールできるようおろす.
「液晶の安全」
- CRT には有害な物質があるが, CRT 単体を扱うだけなら安全である.(以下,北米での Apple 部品廃棄引き取り連絡先等.省略)
パッケージがない場合や,割れた CRT の場合,また,北米以外の場所の場合,その地方の廃棄処分規則に従うこと.
(詳細情報入手先などの記述.省略)
● 内蔵リチウムバッテリの廃棄などについての TIL
- LCD (フラットパネルディスプレイの液晶) は水銀灯など危険物質を含む場合がある.(以下,北米での Apple 返品先など.省略)
パッケージがない場合や,割れた CRT の場合,また,北米以外の場所の場合,その地方の廃棄処分規則に従うこと.
(詳細情報入手先などの記述.省略)
TIL: 50079 : Battery Handling
サービスプロバイダ向け文書.モジュラー型 Macintosh に内蔵されているリチウム電池は扱いを間違うと爆発する可能性があるため,取り外した後の廃棄などの扱いを説明している.
リチウム電池は再充電できないため放電したものは廃棄処分する必要がある.爆発する可能性に加え,水に反応するため,危険物処理されなければならない.
取り外したバッテリは,「DEAD」と書いて新品が入っていた包装などにひとつひとつ入れ, Apple に返すなど.
(C) Akiyama Satoru